工務店経営者3人と飲む・その1

ここのところ工務店経営者と
一杯やる機会が続け様にあって
改めていろんなことを感じました。

なんでもできるけど
これしかやらない

その「これ」は内発的なもので
真似してできるものでもない

真似されない「これ」は
会社それぞれなんだなあと
実感した長野でのお話です。

先日、長野に行ってきました。

椿建築所・佐藤慶一さんとは
お互い前職からのお付き合いで

相談事をいただいて
お邪魔してきました。

その晩、長野の
工務店の経営者お二方も
合流してくれて

暴飲暴食

…じゃなくて
侃侃諤諤

4人でいろんな意見を
さらけ合いました。

酒に夢中で写真を撮らなかったので
お外の写真。ちょっと寂しい…

佐藤さん以外の
お二人は許可をとってませんので
仮名で行きますが

Aさんは端麗な建物と
しっかりした従業員教育で
安定した仕事をされています。

安定した、というのは
経営的に安定というだけでなく

お客様にとって
Aさんに頼めばどんな家が
生まれるかがわかる
変わらない安定感があります。

もちろん、変わらない
ということの難しさも相当で
そのあたりの悩みも
聞かせてもらいましたが

色々な「商品ラインナップ」が
あって、お客様がそれを選ぶ
というやり方はとっていません。

一番いいと思った
一つのスタイルを
ひたすら貫くのです。

かたやBさんは
webサイトは休眠状態
でも仕事が切れずにやってくる
そんな工務店です。

地域密着型で
顔が広いというか
Bさんのところに頼めば
なんとかしてくれる

そういう安心感が
根付いているようです。

建築の意匠でスタイルを
作っていきたいという課題は
持っているけれど

身近なお客様の問題解決に
徹していくというのも
一つのやり方だなあ。

さて、椿建築所の佐藤さん。
以前、町の工務店ネットの
全国総会で見学させていただきました。

その時の工務店の方々の反応は

これでいいんだ?

うちでは真似できないな

というような
そんな声が多かったかな。

工務店業界は
良くも悪くも「真似」が
横行する世界です。

真似されない場所にいる
そういうこともまた
重要なことかもしれません。

佐藤さんは
外皮に包まれた建築物の提案ではなく
安価にできて使い倒せるような
中間領域を積極的に提案しています。

家は今よりもっと簡単にしていきたい
生活が豊かになる提案をしたい
そんな話を聞きました。

共通するのは
「あれもやりますよ」
「これもできますよ」
という売り方、情報の出し方を
していないこと。

「商品」は価格競争に
収斂してしまいます。

そこで戦わず
「うちにしかない」ものを
売りにする
ことが

小さな工務店が生き残る
大きなチャンスに違いありません。