先日来、こんな報道が
あちこちで目につきます。
厚生労働省が
「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
なるものを出したというお話。
↑とてもわかりにくい。わざとか?
酒の量ではなく
純アルコール量に着目する
という話です。
ガイドラインによると
脳卒中、大腸がんなど
色々な疾病が男性の場合で
大体20g/日からリスクが上がるんだとか。
(リスクが上がる、の具体的記述は見つからなかった)
食道がんや胃がん、高血圧などは
20g/日どころか、少しでも飲んだらリスクだと。
純アルコール20gというのは
ビールなら中瓶1本。
日本酒1合。
え゛〜〜〜〜〜。
それっぽっち?
今回はこんな飲み物を見つけたので
ちょっと試してみました。
9%の350mlが2本。
総アルコール量は
摂取量(700ml)×アルコール度数/100(9/100)
×0.8(アルコールの比重)
で計算できるそうで
計算すると50.4g。
この量を日常的に飲んでいると
脳卒中、高血圧、胃がん
大腸がん、前立腺がんのリスクが上がるそうだけど。
国のこういう方針を受けて
ストロング系のチューハイから
撤退する企業が増えているんだとか。
9%のストロングのロング(500ml)一本で
純アルコール量は36g。
アレ? さっきの僕のやつより少ないな…
とはいえ1本で20gを超えるので
「健康リスクのある酒」というレッテル怖さで
撤退するんでしょう。
(僕はあの手のは飲まないからどっちでもいい)
濃度なのか総量なのか
というのは建築でも似たような話が
ありますね。
(前置き長かった!)
シックハウス症候群予防のため
24時間換気が義務付けられて
もう20年以上が過ぎました。
元々はホルムアルデヒドなど
VOCの対策だったはずですが
VOCを出す建材を使わない居室でも
一定量の換気が義務付けられています。
居室は原則0.5回/h以上の換気と
されていますが、この根拠は
「4人で過ごしていたらCO2濃度が
1000ppm以下になりそうな換気量」です。
あれ? VOCがどっか行っちゃった…?
本来濃度が重要だったはずの
シックハウス対策は
いつの間にか「空気を入れ替えればOK」
という話にすり替わってしまいました。
もちろん、人が呼吸で出すCO2も
濃度が上がれば有毒な気体に変わりはなく
きちんと排出してあげる必要がありますが
本来は、その居室にいる人間の数で
0.5回/hより抑えても問題ない換気量のこともあれば
全然足りない場合もありえます。
現行の法律が、そういう設備をつけろ
というから仕方ないとは思いますが
換気量は空気の汚れに応じて
機械制御をする、というのが一つのやり方だし
もう一つは、住まい手が
「空気が汚ねえ」と感じたら
窓を開けるなり換気扇を開けるなりして
自分で換気をしたらいい。
暖房負荷が〜なんて声が
聞こえてきそうですが
たまに空気を入れ替えたら
気持ちいい
という住まい手の行動に
水を注しちゃいけない。
もっとも、人はどんどん
怠惰で鈍感になっていきますし
「空気が汚い」と感じる力も
弱まっているのかも。
というときに良いのが
CO2モニター。
コロナ禍で飲食店が
補助金で導入したものが
大量に中古市場に流れています。
↑メルカリに並ぶCO2モニター
(じゃないものも混じっているが)
換気が足りているのかいないのか
手っ取り早く確かめるのに
いいんじゃないかなあ。
義務付けられているから
いやいややるという感が無きにしも非ず
昨今は換気量そのものより
熱交換するか否かの方に
作り手の興味は移っているようにも見えるけど
住まい手の健康をどう守るか
という点で換気(量)は重要な要素です。
ゆめゆめお忘れなく!