江戸東京たてもの園で歴史を俯瞰する

建築の役割ってなんだろう?

元々は、強い日差しや風雨をしのぐ
というところからはじまって

食料等を保管したり
権力や宗教のシンボルとしての
役割もになったりと

およそ多様な役割があります。

現代の建築技術から見ると
拙い過去の建物も

「知恵と工夫」とか
「プロポーション」とか
「シンボリック」といった部分は

近年作られた建築よりも
ずっと素敵だなあ。

ということを

「江戸東京たてもの園」で
実感してきました。

↑マスコットキャラクターは
宮崎駿さんの制作だそうな。

東京・小金井市から近隣市にまたがる
「都立小金井公園」

約80haという広大な敷地の一角に
たてもの園があります。

東京に存在していた
歴史的建造物を移築・復元して
保存展示をしている場所です。

ビジターセンター(元光華殿)は
屋根の葺き替えをしていました。

たてもの園のことをよく知らなくても
前川國男邸があるところ、というと
わかる人も多いのでは?

吉野家↓
(牛丼ではない。よしのけ)

江戸後期の農家の名主の家
ということです。
大きな土間と小縁が効いている。

他にも江戸期の農家や半農半武の
家などもあり

確かにどうみても冬は寒いし
耐震性能も低いのだけど
住居の根源的な要素は満たしているなあ。

僕などはこういうデカい釜に憧れてしまう。
(デカい方は大豆を煮るそうです)

↓縄文住居もあります。
(移築ではなく復元)

これは根源的、を通り越しているけれど
スタート地点であり、他の建築が
どこまで到達しているかのシンボルかな?

ちょうど2.26直後ということで
高橋是清邸。

二階で襲撃されたという
その場所かもしれないところからの
眺め。

このバッファーゾーン的回廊も
素敵です。

商店・看板建築の復元ゾーンもあり

鍵屋、という名前の居酒屋↓

今の台東区にあり
江戸末期の建築で2階は増築部。
昭和になって居酒屋をはじめ
内田百閒も通ったんだとか。

メニューは
ビールが大瓶190円
菊正宗が一合140円
ゆどうふ80円

…いかん、また食べ物ブログに
なってしまう…

今回は秋山東一さん
椿建築所・佐藤慶一さん
入政建築・新野恵一さん
ご一緒させていただきました。

それぞれがどういう視点で
建物や周辺を見ているか
そんなことも興味深く

建築の歴史を学ぶ・感じる
というのとはまた違い

人に学ぶ機会というのは
重要だ、と改めて感じたのでした。

みなさん
ありがとうございました!

公式サイトでは360°パノラマビューも見られます。
(縄文住居以外は)

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園は、文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示する野外博物館です。