管理不全空き家を増やさないために工務店は何かできるのか?

もうすでに空き家になっているものをなんとかするのは困難ですが、この先、できるだけ放置空き家を作らないための取り組みはできるのでは?


今上天皇が即位されてから
今日で5年
そうか、令和6年だもんね…

普段、和暦をほとんど使わないので
自分でこうして書くまで
ピンときませんでしたが

補助金とか統計とか
政府のオシゴトは原則として
和暦ですね

5年に一度の住宅・土地統計調査
令和5年調査分の速報が公表されました

統計局ホームページ
総務省統計局、統計研究研修所の共同運営によるサイトです。国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています。

以下、数値・グラフ等は
「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)から

昨年10月1日の時点で
住宅総数は6502万戸

前回調査(2018年)から
261万戸、4.2%の増加です

増加率自体は
ここ10回の調査で
2番目に低いけど

家余りが言われているのに
261万戸も増えているとは…

とはいえ、ここ数年の
新築の着工戸数は
80万戸強なので

5年で400万戸が
着工されていると考えると

取り壊された住宅も
140万戸ぐらいあった
ということか…

そして空き家数は
過去最多の900万戸

これは前回調査から
51万戸増

この調査の「空き家」には
賃貸の空室や
売れる前の分譲住宅
別荘なども含んでいます

このあたりを除いた
人が住まなくなってしまった
真の意味の空き家は385万戸

去年もこの話を書いたんだけど
空き家の数が増えているだけで
社会的にはなんにも変わっているようには
見えません

昨年から
「管理不全空き家」の指定制度が
始まりましたが

推計で24万戸あるという
管理不全空き家候補が
実際に指定されて効果が出るまで
まだ時間がかかるでしょう

中古住宅の
買取再販は増えているように
見えますが

これは、持ち主が空き家を
さっさと売ろうとした

という結果であって
まあ、健全と言えば健全

これに対して
管理不全空き家になるのは

一人暮らししていた高齢者が
亡くなって

子どもたちは皆
遠くに住んでいて
実家は相続するだけで
住むことはない

亡くなってすぐに
家の処分なんか不謹慎だ

とかなんとか放っておいたら
いつのまにか手がつけられない
空き家に

なんてのが典型例

これに対して
工務店は何かできるんでしょうかね?

工務店は家を建てることしか
面倒を見てくれない

社会ではそう思われている
かもしれません

家を建てるときには
FPさんを連れてきて
お金の相談にも乗るけれど

建ったあとの生活で
頼られることはない
(あっても困る)

家を建った30代には
問題なかったとしても
60、70と年を重ねて
子どもたちも離れてしまうと

家の不安も
お金の不安も
誰にも相談できない

そんな高齢者が増えていくのでは

しかし、そんな高齢者世帯に
飛び込みで工務店が訪問しても

高齢者目当てのリフォーム詐欺
ぐらいにしか思われず
相手にしてもらえないかもしれません

じゃあどうするか?

地域で、高齢者を支えられる
集団を作る、という選択があります

お金のことで困っている人の
相談にのるFPさんや

相続で悩んでいる人に対して
税理士さん

お医者さんだって候補になるし
他にも色々なジャンルのプロが
高齢者の一人暮らしを支えられる

その中の一つの機能として
工務店があってもいい

そうやって空き家候補の
将来を一緒に考えていく

まあ、綺麗事といえば
綺麗事だし

もちろん相談者には
お金がかかることで
誰にでもできるわけではないけど

一社だけでガツガツやるより
地域のお役に立てるのでは?