価格は〇〇で決めよう

材料がこのぐらい、手間がこのぐらい、経費がこのぐらい、しめておいくら万円でございます。って価格の決め方でええんかな?


報道は相変わらずコメの話が多くて
なんか他に隠したいことがあるのかな
なんて勘ぐりながらも
やっぱりついつい色々考えてしまう。

僕は農家ではないけど
日本農業新聞のメルマガを
購読しています。

一般紙以上にコメ問題が話題の中心です。
その中に面白い報道がありました。

[ニッポンの米]備蓄米上乗せ額が大きいのは? 国、卸、小売り…各9000円前後 / 日本農業新聞公式ウェブサイト
農など集荷業者 最小限の1000円 日本・・・

備蓄米上乗せ額が大きいのは? 国、卸、小売り…各9000円前後

随意契約になる前の
入札の備蓄米に
一番お金を乗っけているのは

だったそうです。

その次が小売
その次が卸
みんなまあまあ乗っけている

そんな中、JA全農などの
集荷業者はわずか1000円程度の
最小限の上乗せだよ!

という報道です。

世の中ではJAがコメ価格吊り上げのために
溜め込んでんじゃねえの的言説が流布していて
僕もそうなのかな、なんて思っていたので

へえ〜そうだったんだ〜
と思う一方で

この新聞、元々農協が母体ですから
何をか言わんや…

今回の随意契約では
コメは5kg2000円台と言うのが
お国が考える「相場」のようです。

今、金額が上がっているのは
品物が少ないから
つまり希少価値で値上がりしているわけで

お米そのものの味が爆上がりした
でもなく
お米の生産者に共感して爆売れ
でもなく

商品の価値そのものが上がったので
値上がりした
というわけではありません。

(希少価値にも「価値」という
言葉がついているけど
ここでいう「価値」とは違う)

さて、住宅の価格の決まり方を見てみると
どうでしょうか?

工務店の注文住宅の多くは
原価積み上げ型(いわゆるプロダクトアウト型)で
価格が決定しています。

これに対して大手メーカーは
マーケットイン型で価格設定をしている
ケースが多い
つまり想定顧客が払いそうな金額で商品を決める

(もちろん話を単純化してるので
それぞれに違う面はあるでしょう)

価格の決め方は他にもあって
価値に対して金額が決まる
バリューベース型

スマホで言うと
Androidの多くはプロダクトアウト型?
iPhoneはバリューベース型と言えるかもしれません。
(実際にできることは似たようなもんなのに
顧客が何らかの価値を感じて価格が高くても売れる)

家もそんな風に売れたらいいよな〜
でも売れるわけないよ、と
誰もが思うかもしれません。

もちろんそういう工務店もあって

材料だけ見たら
え〜これでこんなにお金いただいちゃうの?
というケースもあるわけですが

お客さんがそこに価値を感じて
満足して支払っていれば
周りがとやかく言うことではないのです。

「断熱等級6です、7です」
という謳い文句が
プロダクトアウト型発想だとすれば

バリューベース型はどんな発信を
すればいいんでしょうね?

「真冬でも暖房いらず」
…うーん、ちょっと違うかなあ〜?

webなどで実例を紹介するときに
その家の特徴から名前をつけるケースを
時々見受けます。

その名前が、結構「価値」を表しているかも。

(xx坪の平屋とか
xx壁の家とか
そんなんではないですよ!)

例えば昨日批判した
家族の絆を深めるなんてのは
発想としてはバリューベースかもしれません。

家族の絆を深めたい人にとっては
すごい価値ではあるわけです。

提供する家が住まい手にとって
どんな価値があるか

これがきちんと説明できないと
設備の能力とか材料のこととか
断熱性能、耐震性能とかを
説明するしかなくなるわけで

そうすると「相場」からは
なかなか抜け出せませんね。

もっともその前に「集客・知名度」
という問題の方が大きいケースがほとんどで

そういう場合は
価値の方に手をつけずに
広告費に頼って集客を試みたり
してしまうわけですが

順番が逆じゃない?

価値が伝わらないもので
お客を集めても仕方ない

というわけで
自社の提供する家にどんな価値があるかを
ちゃんと具現化した上で

価格は価値で決めよう!