「城」も「家」も、建築単体で考えてはいけない

城って聞いたら天守を想像するように、家って言ったら建物を想像することでしょう。でも本当にそれでいいのかな? それぞれの機能を果たすのには、建築単体では成立しないはず。


昨日も旧友と親交をあたためてきた…というか、酒をかっくらってきたのですが、その場で出た話題が「城」。

城、と聞いたら何を思い浮かべるでしょう?

僕のGoogleフォトで「城」で検索したら出てきたのが

こんな具合に国内のお城が大量に出てきました。
(もっともっとあった。結構城に行ってるんだな〜)

↑紫禁城
これも「城」として検索されるんですね。

↑東京と名がつく千葉にある著作権にうるさいアソコの城。
まあ、城って言えば城か…

という感じに、Googleフォトが建築物としての城を拾ってくれました。

まあ、城といえば城だけど、これだけが城じゃねえだろ…
まさにこれが、今回友人の間で論議になった話の典型例です。

城とは、「天守閣を指すもの」と思っている人と、「戦闘あるいは政治用の機能」を指すものと思っている人が、城の価値を論議しているので、なかなか噛み合わなかったのです。

多くの場合、「城」と言えば建築物を指す、と解釈されるのが一般的のようです。

しかし、戦国時代(か、それより前)の城の多くは、戦闘用に設けられたトーチカみたいなもんだったりするし、それを補完するのは曲輪とか土塁とか、土木的要素も外しては語れません。
戦国時代以降の城は、政治的というか権力のシンボル的な、他の大型建築が辿ってきた道にも近かったり。こっちのイメージで「城=天守」という図式ができているんですね。

ここでつっこんで城の話がしたいわけではありません。

「家」と言ったときも、似たようなことが起こる、ような気がします。

「家」は、建築物を指すことも多いですが、「家庭」を指す場合もあります。
もうちょっと呪い的な「家制度」的な「家」もあります。

家づくり、という言葉は一般的ですが、大抵の場合は建築物としての家、城で言ったら天守を指すような感じ?

しかし家に求められているのは、家族(一人であろうと大人数であろうと)が求める機能のはずです。

機能っていうと、誤解を生みそうですが、設備がどうこうとかそういうことではなくて、なんのための家であるのか。

ただ寝られればいいのか。趣味のスペースをとりたいのか。職住近接が希望なのか。隣近所との関係が大事なのか。どのぐらいの期間住みたいのか…
色々な要望、というか条件というか、そういうものが建築という形になっていくわけですが、なんだか、形の方が先にある家が増えたかな…という気もします。

そしてそれは、単にお客さんの要望を聞けば良い、というものでもありません。

要望って、だいたい天守です。
SNSに出ているのも、天守ばかりだから。

堀とか土塁みたいな話はなかなか目に触れない。
「防犯と近所付き合いの距離感」なんてことを投稿してもウケない、伸びない。

そういう話の方が、後々重要だ、と言えば言うほどウケない…
どうすりゃいいんでしょうね〜。
自分たちで言うと能書臭くなるから(このブログのように)、そういうことは、住んでからのお客さんに語ってもらうのが一番かな。