焼きそばが何料理か、より大切なこと

焼きそばって中華麺だから中華料理? ソースとか紅生姜とか、大阪の粉もん? なんて論争をするわけじゃないです。(焼きそばは焼かないよね、って話でもない)


日曜恒例メシの話です。

焼きそばが好きです。
ご存じの方は多いでしょうけど、ペヤングソース焼きそばも好きなんですが、今日はあれじゃない。
カップ焼きそばじゃない、普通の焼きそばの話。

……いや、「普通の焼きそば」ってなんだ?

中華麺を使うから中華料理か、というと、町中華に焼きそばがあることはある。
でも、ちょっと小洒落た中華料理屋になると、かた焼きそば(皿うどん的な)になっちゃうし。

お好み焼き屋さんにもあったりします。
ドロソースに紅生姜を添えるところを考えると、大阪の「粉もん」とも言える。
どちらかというと、こっちかな?

↓これは野菜炒めだけを焼きそばソースで作り、

焼きそばはレンチンした後で和える、という謎焼きそば。

そば、焼いてないし。

こういう謎の出自の料理、日本だけかと思ったらそんなことはありません。

アメリカ風中華のチャプスイは中国に存在しないし、バインミーはフランスのバゲットにベトナムの具材を挟んだもので、フランスにもベトナムにも「元祖」はいない。

移民が新しい土地で「故郷の味を再現したいけど食材がない、現地の人にも売りたい」という切実な事情から生まれた料理たちです。

それでも、その土地にちゃんと根付いている。バインミーがベトナムのソウルフードになったのは、出自がどうこうじゃなくて、その土地の気候や食文化と噛み合ったからなんだろうな〜。

住宅はどうでしょうか。

2×4はアメリカ発祥の工法ですが、だからといって2×4の家がアメリカンになるとは限らない。
木造軸組でモダンな洋風住宅だって建てられるし。工法の出自と暮らしぶりは、そんなには直結しないわけです。

でも、「工法の出自なんてどうでもいい」とも言い切れない。その土地に馴染む理由があるかどうかが、本当は大事なんだと思う。

たとえば浜松だと、冬は「遠州のからっ風」と呼ばれる北西からの強い季節風が吹き、夏は高温多湿です。
天竜川の上流には日本三大美林のひとつ、天竜杉が育っています。

この土地で家を建てるということは、北西面の開口を絞って風を防ぎ、南東に大きく開いて夏の風を取り込む、というプランの話でもあり、湿度に強い天竜材を使う話でもある。

それはカタログには載っていないし、浜松に参入してきた全国展開のハウスメーカーには、たぶんわからない話です。

まあでも、工務店にもわからなくなってきているかもしれません。
外皮の性能を上げれば、外のことは関係なくなる、とばかりに、域の気候への関心がなくなってきているような…

「〇〇工法だから」という看板より、この土地の風向きを知っているか、それをどう活かし、どう遮るか。
それが地域工務店の本当の強みじゃないかと思っています。

焼きそばが何料理か、何々工法が、なんて話より、材料の目利きと技術が大事、って話かな。