今年最後の日曜日、恒例のメシの話から。
たまにベーコンっぽいものを作ったりします。
パンチェッタ(イタリアの生ベーコン?)はよく作ります。
塩漬けにして水抜くと、長持ちするし、肉でもありながら、脂や塩気の補充ができる調味料みたいにもなって、とってもbene。

それを燻すとベーコン、のはず。
家の中で燻製やると、やっぱ臭いね〜

これでベーコンだ、なんて思い込んでいましたけど、ホントかな?
JASにはベーコンも定義されています(JAS 0786:2025)。
ベーコン、ロースベーコン、ショルダーベーコンなどが定義されていますが、例えばベーコンは
a) 豚のばら肉(骨付のものを含む。)を整形し,えんせき(塩漬)し,及びくん煙したもの
b) ミドルベーコン又はサイドベーコンのばら肉(骨付のものを含む。)を切り取り,整形したもの
c) a)又はb)をブロック,スライスその他の形状に切断したもの
あ、さっきの写真の肉は、ばら肉じゃないから、すでにベーコンじゃないな…
a)には、はっきりと「くん煙したもの」と書いてあります。
でも、市販されている大手メーカーの「ベーコン」って、くん煙されてるかな〜?
あんまり、そういうのは見かけない気がする。いわば偽ベーコン。
どうして偽ベーコンが普及するのでしょう。
あくまで想像の範囲ですが、
手間が少ないから(燻すのめんどくさい)。
歩留まりがいいから(燻すと脂や水分が抜けて重量が減る)。
早くできるから。
で、きっとその方が安いから。
手間が少なく、歩留まりがよく、早くできて安い。
いいことだらけですね〜
でも偽ベーコンじゃなあ…と思ってたんだけど、衝撃の事実が。
「くん煙」の定義として、「ハム・ソーセージ類公正取引協議会」なる団体の資料によれば
食肉製品における「くん煙」とは、「くん煙材でいぶす、又はくん液を用いてくん煙風味及びくん煙色を付与すること等」を言い、くん煙方法には、冷くん法、温くん法、熱くん法及びくん液を用いる液くん法があります。
ただし、くん液を原料肉に練り込んだり、注入すること等原料肉内部への使用は、「くん煙」の工程には該当しません。
え〜? 「くん煙(燻煙)」は、くん液を用いる液くん法もあります、と明記されているではありませんか!
(ただし書きで、注入はくん煙にはならないよ、とも)
つまり、僕が「偽物」だと思っていたものは、実は定義上は立派な「本物」だったのです。しかも、結構前から使われてるんですよね。
偽ベーコンは、偽ベーコンじゃなかった。
僕が作ってる塩漬の燻製の方は、定義上、偽ベーコンだった。
うーん…
ちゃんと手作りした偽物と、なんちゃって本物…
住宅の建材にも、そういうもの、多いような気もしますね。
手間暇かけて作った自家製偽ベーコンは、手間暇かけたポテトサラダに入りました。
(真ん中あたりにいるけど、よく見えないね)

そういや以前に、ポテサラのこと書いてたな〜

成長してないのか、筋が通っているのか…
というわけで、本年も、日曜日のめんどくさい食べ物の話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
