新幹線で移動していた時のことです。
通路を挟んだ隣の席を回転させている〜!
うわ〜うるさい集団来たかな〜、とちょっとゲンナリ(自分もやるのは棚に上げて)
向かい合っても会話は生まれない
着座したのはご家族と思しき、50がらみのご夫婦と、妙齢の姉妹らしき4人連れでした。
着座すると4人はおもむろにスマホを取り出し、没入しています。
一言もしゃべりません。
いや、僕にとっては静かでいいんだけど。
両親っぽい二人はそのうち寝てしまいました。
姉妹的二人は起きてはいますが引き続きスマホを注視。
もしかして姉妹でスマホでやり取り…? もしかして他人? か知らんけど、引き続き無口。

これなら、席を回さずに、前を向けたままにしたほうが、全員が進行方向を向けて足も伸び伸びできるし、リクライニングもできる、なんならテーブルだって使えるし。
なんなんでしょうね。
4人家族なら向かい合って座るのだ、という固定概念なんでしょうか。
年代的にはいわゆる「子育て世代」の家族を10年〜20年ぐらい過ぎた感じです。
家はどうなってるんだろう。
今もみんな同居しているとしたら、お姉ちゃんも妹も部屋にこもってスマホ、両親もそれぞれ好きな場所でスマホ後寝落ち…
なんてのも、それぞれの自由ではありますが…
子育て用の家だから寿命が短い?
家を建てる時にはよく「家族が集まるリビング」とか「家族の気配が感じられる吹き抜け」とか「子どもが勉強するオープンスペース」なんかが出てきます。
これらは、10年後、子どもが大人になったときは、どうなるんでしょう。もちろん10年後には子どもが家から出ていて、その部屋の使い道がなくなっていることもあるでしょう。
日本の滅失住宅の平均値(寿命じゃなくて壊されるまで)がざっくり30年程度と言われているのは、物理的耐久性の他に、家族構成限定のプランにしすぎてしまった、ということもあると考えています。むしろ、そっちの方が多いかも?
新築住宅での子育て期間が、子ども2人、あわせて20年ぐらいだとしたら、30年のうち20年が「子育て期間」だとすれば、ますます「子育て期間」の割合が高くなります。子育て用の家は、子育てが終わると壊されてしまう、というのが、日本の滅失住宅30年を支えている裏事情…な気がしてきた。
今建てられている家は、物理的耐久性はもっと上がっているはずですし、暑さ寒さへの対応もできている。
けれど、家族の変化に耐えられるのか? という点では、まだまだ疑問が残るような家がたくさんあります。
2階を上がると廊下がズドン、洋室(って言い方も凄いな)、洋室、洋室、それぞれにクローゼット装備、みたいな。
家が長寿命になれば、相対的に、その家が子育てに使われる期間は短くなります。つまり、大人だけが住む時間の方が長いってこと。
それでも多くの住宅会社は「子育て! 子育て!」と声高に叫ぶ。チャンスだから。それはわかります。
子育て後にも残る価値を
そのあとは?
と考えたら、子育て期間は、住まいの序章に過ぎないわけで、その先をどう豊かに暮らせるか、そんなことをちゃんと提案できた方がいいんだろうけど…それって、子育て中の人には響かないんだよな〜
救いなのか、そうでないのかわかりませんが、子どもにとっては、個室があろうがなかろうが、スマホの中が個室です。部屋に篭らなくても、自分の世界に篭れます。
だったら、物理的距離の「個室」を作るより、例えば一つの空間の中で心理的距離をどう作るか、という設計も、大事になるんじゃないでしょうか。
ベタではあるけど、可変間仕切り、段差、L字、ヌック、ダイニングテーブルの大きさ(隣との距離)、照明の位置…そういう端的に言い表せないものも含めて、たくさんあると思うなあ、個室以外で家族との適度な距離を保つ方法。
必要なのは、
子育て『も』できるけれど、大人が『個』として人生を楽しめる家
なんだろうな。
結局、このご家族はマジで一言も交わすことなく席を立ちました。
もう、向かい合うより、同じ方向を向いた家族なんだな〜、ってか、シートそのままだよ、なおそうよ…(これ、マジでその方達が座ってた席)

子育てが終わったあとも「子育ての形」だけが残る家って、こんな感じなのかもしれない。…いや、こじつけすぎか。
ともあれ、子育て界隈では「機能」と「目的」が混ざってしまいがちです。どうかここを冷静に整理して、どうか滅失30年に加担しませぬよう。
