紙ストローとか太陽光発電義務化とか

佐塚です。
普段から、飲み物は水か酒がほとんどで、お茶やコーヒー、ジュースなどは滅多に飲みません。コロナ禍も相まって、必然的にストローを使う機会はとても少なかったのです。
そんな僕ですが、どうしても、という事情 (朝飯まだ、駅に着いた、お店がそこしかなかった)でパン屋さんでイートイン。ついに人生初の紙ストローを体験しました。

マイクロプラスチックのことがあれこれ言われるようになって、ここ2〜3年ぐらいで、紙ストローへの切り替えの報道をよく目にしました。
でもね。
東京湾での水面付近の調査に限れば、プラスチックの中で多かったものは「人工芝」、ついで「化繊」だったと言います。人工芝や化繊を、ポイ捨てしているわけではなく、通常使用の中で、河川に流れ出て海に届いていると考えるのが自然でしょう。

浮遊部分だけなので、もっと深いところや海底などの状況を全て表しているわけではありませんが、感覚的には、ストローをプラスチックから紙に変えたところで、海のプラスチックが劇的に減るわけではないように思えます。

ストローは、中にはポイ捨てされるものもあるかもしれませんが、多くはゴミとして回収されているでしょう。一方で、人工芝や化繊は、それらを利用している限り、どんどん流出し続けるわけです。

もっとも、人工芝業界も、ドレンを工夫して外に流さないなどの対策を始めました。でも、ストローがプラスチックから紙になるのだったら、芝も人工芝から植物の芝に変えたら、もっと確実にプラスチックが流出しないのにね。

化繊は家庭の洗濯から排出されるものも多いでしょうけれど、こちらもやはりフィルターで食い止める、ぐらいの対策になりそうです。でも人工芝と同じく、化繊を着ない、禁止する、みたいなことにはなりそうもない。

ストローやらレジ袋やらの、わかりやすいけど効果は薄いものへの対策、というのは我が国ではよく行われますね。東京都の太陽光発電義務化(というのも実態にはそぐわない表現ですが)も、都の全体のCO2削減目標の0.4%程度でしかない、という試算もあります。
量の問題ではなくメンタリティの問題だ、ということかもしれませんが、「何かが切り替わる時」に、誰がなんの目的でそうしているのか、ということには常に気をつけていないといけない。