「少ない」じゃなくて「小さい」エネルギーで暮らす


電気料金が相変わらず高いですね〜。

ロシアのウクライナ侵攻に端を発した
燃料高や円安が主な原因とされていますが
送電費用も上がっているんですよね。

大きな発電所で大規模に電気を作って
運んでくるというのが現代社会です。

けど、本当に遠くから持ってくるばかりで
いいのかな?

この図は、町の工務店ネットの
「びおハウス」パンフレットに掲載したもの。

電気を遠くで作ると、送電コストはもちろん
燃料の輸送コストも乗ってくるし
その間にCO2や熱もたくさん排出されます。

電気に色はついていないから
遠くからだろうが近くからだろうが
使えるので

そんなことどうでもいい
値段が安ければいい

というのが一般的なホンネかな?

家庭用太陽光発電は
高騰する電気代への対策として
再注目されています。

要するに
家庭で使う電力料金が
安くなるよ! という導入ですね。

これはとても大切なことなので
ホンネでもタテマエでも
否定しませんが

別の視点もあるよね。
というのが書かれた本。

『小さいエネルギーで暮らすコツ』
この表紙のストーブいいね…

そう聞くと、建築事業者は
「高断熱高気密化だな!」
と思うかもしれませんが

ここで言っているのは
少ないエネルギー」ではなく
小さいエネルギー」なんですね。

太陽光や水力、薪、炭などの
身の回りの自然を使って
作るエネルギーをそう定義しています。

太陽光発電の話も多いのですが
単に費用のお話ではありません。

じゃあなんの話?

かたや、波板鉄板に
野菜をのせて太陽熱と風で乾かそう
なんていうお話も。

自分で作った小さいエネルギーを
ありがたくかしこく使うと
たのしいよ!

という内容です。

都市部では到底できませんが
小型水力発電などは
郊外型居住にうってつけ。

元々、川のそばに人が住んでいたのは
水資源や輸送のためですが
今後は発電のために
なんてこともあるかも…

地元浜松のみかんの木が
炭になっているそうで
全然知りませんでした。

みかんの木は硬いので
炭に向いていて
火持もいいんだって。

干し野菜とかみかんの隅とかで
わかるかもしれませんが
この本は農文協から出ています。

農村には手作りで食料も
エネルギーも生み出す力と技がある!
という視点です。

一方で、農村は農業人口の減少で
瀕死の状態のところも多くあります。

農村に新たに家を建てるのは
簡単ではありませんが
農地法の下限面積要件が撤廃されて
農家への参入障壁は少し小さくなりました。

農村を開発して宅地にするんではなく
農村に新しい人たちが
加わっていける場所を作り
エネルギーも生み出していく

そういう場を作れるのは
地域工務店ならではですよね。