バーミキュラの水平リサイクルに驚く

リサイクルは面倒なもの、誰かがやってくれるもの。そんな風に正直思っていました。
ところが、バーミキュラの水平リサイクル方式を見てこれからはそうも言っていられないかなと感嘆しました。
小さい距離、顔の見える距離でのリサイクルの可能性のお話です。


リサイクル、という言葉は
一般的ものになりましたが

面倒なもの、誰かがやってくれるもの
そんな風に、僕も正直思っていました。

ところが、バーミキュラの水平リサイクル方式を見て
これからはそうも言っていられないかな
と素直に感嘆しました。

小さい距離、顔の見える距離での
リサイクルの可能性のお話です。

リサイクルという言葉は一般的ではありますが
間違えて使われていることもよくあります。

例えば、住宅を解体して出た古材を
新築住宅に使うのは「リユース」です。

Re+Use。再び使う、ということで
リユース。

リサイクルは、Re+Cycle。
再生利用です。

紙を溶かして再生紙にするとか
ペットボトルから服の繊維を作るとか
そういうもの。

セルロースファイバーなんかは
古紙のリサイクル品ですね。

前にユニクロがフリースで
リサイクル断熱材を作った
なんて話も書きました。

ユニクロのリサイクル断熱材と既存建物省エネ改修補助事業。
地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。 ユニクロ前橋南インター店が ユニクロの服を断熱材として 「着た」 として報道されています。 この建物は 佐藤可士和さんがデザイン監修 ということで この断熱材を「着る」という 報道は、デザイン...

この手の話では「3R」と言って
「リデュース」も話題になります。

これは「発生抑制」で
実は一番大事な概念のような
気もしますが今回は思い切って省略。

住宅レベルでリサイクルというと
解体ガラをごちゃ混ぜにせず
分別しなさい、という

「面倒臭い法律」という
印象が強いのでは?

発生したものはあくまでゴミ
それを再生利用するのは
自分ではないので

どうしてもそういう意識に
なることは否めません。

古い日本の家屋では
建具はもちろん、構造材も
リユースを重ねられてきました。

リサイクル例を見ると
古くなった屋根の茅などは
肥料にしたり

究極的には解体した木材を
燃やしてしまうことも
リサイクルの一種ですね。

僕がリサイクルに
やや懐疑的なのはは
この「焼却」を「サーマルリサイクル(熱回収)」
と呼んでバンバン資源を燃やしている
ことも一因ですが。

サーマルリサイクルは
一回しかできないので
「サイクル」って言葉に合わないし…

ともかく、大規模なリサイクルは
目の前で行われないから
どうしても意識の外になってしまう。

ここまで引っ張りましたが
なんでリサイクルの話を書いたかというと
住宅ではなく料理系のネタからでした。

バーミキュラという日本の
鋳物ホーロー鍋があります。
(僕は欲しいな〜と思いながら持っていません)

このバーミキュラ、今までも
「リペアプログラム」と題して
再ホーロー処理をしてくれる
サービスをやっていました。

これに加えて、なんと
「リクラフトプログラム」が
スタートしたのです。

リクラフトプログラム | Vermicular(バーミキュラ)公式サイト
サステナブルな思想で、一生使ってもらえるように。リクラフトプログラムであなたのバーミキュラが生まれ変わります。暮らしに合わせて、バーミキュラをアップデートしませんか。

自分の持っている
バーミキュラの鍋を
溶かして別の鍋に打ち直す
というもの。
(以下写真、グラフは上記webより)

手間もかかるし
本当は新品の方が安上がりなんじゃ?
という気もしますが

新品より少し安い値段で
提供されています。

水平リサイクル、すなわち
別用途ではなく同用途にリサイクル
するということ。
リユースではなくリサイクルですね。

家族の人数変化などで
サイズが合わなくなったものを
生まれ変わってもう一度使えるように。

これって、住まいの増築や減築とも
似たことですが

鍋でこんなことは初めて聞いたので
ちょっと驚いてしまいました。

リフォーム、リノベーションを
「衰えた・足りない機能を補う」
という面でアピールするばかりでなく

愛着のあるものを
どう残しながら
活用していくか

そういう見せ方が
住まいにも必要だな〜と
感心しています。