注文住宅が厳しい…と言われてしばらく経ちます。
ちょっと回復基調かな? と言う気はしますが、人口も減っていくし、激増する要素はありません。
それじゃあ、と言うわけじゃないだろうけど、「分譲」「賃貸(高性能賃貸)」「中古買取再販」「非住宅木造」と言ったあたりのキーワードをよく聞くようになりました。
作れるよ、でも売り方は?
建築、という視点で見れば、注文住宅をこなしている工務店なら、分譲住宅だって賃貸住宅だって作れるわけです。
非住宅木造も、規模によりますが、小さい規模なら、まあできるでしょう。
非住宅の話でよく聞くのは、「どうやって仕事を取るのかわからない」という話。
でも、非住宅だけじゃないですね。分譲・賃貸だって、注文住宅とは顧客メンタルが全然違う。
注文住宅の場合
注文住宅の顧客にとっては、「一生に一度の大プロジェクト」であり、「表現」です。
スペックも価格ももちろん大事ですが、自分たちの理想を形にするために、作り手と共鳴する、ということを求めています。
プロセスそのものが売りになります。だから、工務店側には「ファン化」のためのコミュニケーション能力や、価値観への伴走が求められます。
僕の仕事の一部は、そういうことをするお手伝いです。
だから、「製品」そのものを伝えるというよりも、作り手と住まい手がいて、その結果としての住まい、という風になっていきます。
建売住宅の場合
一方、建売住宅の顧客のメンタルは、もっと合理的です。
「立地・値段・スピード」に集約される、と言ったら言い過ぎかもしれないけど、まあ、そこら辺を含めた「パッケージ商品」なわけです。
自己投影する余地が少ない分、決断のスピードも、情報の透明性も、注文住宅とは全く異なる構造です。
賃貸住宅の場合
賃貸住宅の場合、顧客は住まい手ではない、というのが決定的な違いです。
(自社で事業として賃貸をする場合は除いて)
もちろん、建築ではありますが、オーナーにとっては「投資商品」です。
愛着やこだわりではなく、ちゃんと儲かるかが大事。
工務店のメンタル
工務店が「製造業」のメンタルでいるのなら、これらの違いは、図面の違い程度にしか見えません。
しかし、「サービス業」の視点で見たら、提供すべきホスピタリティがまるっきり違うことがわかるはずです。
さて、どっちでやってますか、あなたの会社は?
新築が減ったから消去法で建売・賃貸…という形で手を出すとどうなるか。
投資家に、木のぬくもりを語っても、「空室リスクに関係ある?」 と聞かれるかもしれない。
建売住宅に会社のこだわりを詰め込んでも、「で、いくらにまかるの?」だったり…
OSを切り替えろ
「建築」という言葉の広さに油断して、全てをこなそうとしても、ブランドの輪郭がボヤけてしまいます。
一人の担当者が、器用に立ち回る、というレベルでやれるのか? それを担当者に押し付けちゃっていいのか?
事業部を分けるとか分社化する、ぐらいの「立ち位置の再定義」、まあ、言ってみれば「脳内OS」の入れ替えが必要じゃあないでしょうか。

OSが対応していないソフトウェアを無理に動かそうとしてませんか。
僕自身も、「新築注文住宅をメインにしていて、社長が一人で何役もやる」工務店のサポート、というOSで動いているような気がするな…
これが強みなのか、ひょっとして凝り固まった古いOSなのか…
