龍雲寺・金澤翔子さんの書展で心を洗ってきた

書というのは紙に墨が乗っかっている、物理的にはそれだけのものですが、どうしてこうも人の心をつかむんでしょうね。
お寺で開かれた書展で感じた人の手による仕事の凄さのお話です。


書というのは
紙に墨が乗っかっている
物理的にはそれだけのものですが

どうしてこうも人の心を
つかむんでしょうね。

お寺で開かれた書展で感じた
人の手による仕事の凄さのお話です。

浜松は佐鳴湖、南東のほとりに
龍雲寺というお寺があります。

職場が佐鳴湖畔だった頃は
このあたりも散歩コースだったので
横はしょっちゅう通っていたのですが
今回初めて中に入りました。

お目当ては、金澤翔子さんの
書展です。

翔子さんはダウン症の
天才書家として知られる人です。

龍雲寺先代住職と家族ぐるみの
お付き合いがあったそうで
その縁で様々な作品が奉納されています。

今回はそうした作品だけでなく
多くの新作を含めた書展がある
ということで出かけてきました。

龍雲寺は、700年ほど前に
木寺宮康仁親王が下向して
興したお寺とされています。

その後、三方原の合戦で武田方の
味方をしたために徳川に攻められ
全山消失、今も少しずつ再建中とのこと。

2017年に納骨堂を兼ねた
「涅槃堂」が作られています。

こちらの施工は天峰建設さん。
県内で寺社建築といえば
必ず名前が出る匠です。

天峰建設さんの現場を
見せてもらったことがあります。

山門の解体修理で、元も見事なら
改修する現代の大工の眼と手も見事。

けど、今日はそちらの話題ではなく
書の話です。すみません!

では見ていきましょー。

↑最初に目に飛び込んでくるのはこれ。
力強いですね〜。
(評価眼がなくてカッコいいこと言えない…)

↑諸行無常。ホントだよね。

↑一円相。禅の極地みたいなもの。

↑ちょっと建築物も補給。

↑右を向くと書があります。
散歩甚閑静坐最好。
いい言葉が、自由に置かれていていいね!

↑この先の「涅槃堂」には
こんな大空間があって

↑そこには、世界一大きいという
般若心経があります。

この般若心経の裏側には
納骨堂があるのですが
そっちの写真は割愛。
(撮ったけど)

境内には通常の墓地の他に
樹木葬の場所があったり

↑登っていくと
天気が良ければ
南には遠州灘が望めそう。

↑北側には佐鳴湖が一望。
こちらも天気が良ければ南アルプスも
綺麗に見えるようです。

↑む? その脇に
寺院にあるとは思えないような
建築物が。

これは、またいつか
取り上げましょう。

枯山水があったり
平安時代の阿弥陀如来像が
(写真ないけど)あったり。

↑これは翔子さんの作品ではないですが
見事な襖絵も見られます。

観光寺院じゃない、そうですが
訪れる価値のあるところだと
感じました。

書といい建築といい
人が作るものです。

人が技術を磨いたり
気持ちをぶつけたりして
生まれてきたものに

ようやく素直に感じ入ることが
できるようになってきたかな…?

この度、僕は人と別れて
新たな歩みをはじめますが

人がいたからこそ
今があって
これからも色々な人に
生かしていただくのだなあと

柄にもないことを考えたりしながら
帰途につきました。

さて、この書展、
写真を撮ってどんどん拡散してください
ということでしたが昨日9日で終了です。

でも、巨大般若心経をはじめ
いくつかの作品は常設されています。
書展も来年秋に開催予定とのことで
次回をお楽しみに。

金澤翔子書展  【龍雲寺】  静岡県浜松市
ダウン症の書家「金澤翔子」さんと龍雲寺の深いご縁により、世界一大きい般若心経が寄贈され、新築の涅槃堂に展示されます。