「市場原理と贈与交換のブリコラージュ」に期待する


一緒に毎日ブログに取り組んでいる
ピラティスインストラクターのそのさんから

ご両親が作っているという
みかんが届きました。
ありがとう!

普段、しょっぱいものとか
からいものとかばかり食べてばかりで
フルーツ不足なので、ありがたくいただいています。

僕が、いらないものは欲しくない、という
主義なのを知ってか知らずか
事前に欲しいか聞いてから送ってくれるという
お心遣い。

(いらなくない)いただきものって
なんでこんなに嬉しいんでしょうね?

ちょうど
斎藤幸平さんと松本卓也さん編の
『コモンの「自治」論』を読んでいたら

文化人類学者の松村圭一郎さんの章
「資本主義で「自治」は可能か?」で
「贈与」のことが触れられていました。

お金と商品を交換する
という短期的で匿名な関係とは正反対の
長期的で人格に基づいた人間関係を作る

というのが贈与に対する
昔の文化人類学の未開社会での
考え方だったそうですが

贈与経済が未開でと貨幣経済は近代的と
対比的に考える見方は近年批判されて
きているとか。

中にとても気になるフレーズがありました。

「市場原理と贈与交換のブリコーラジュ」
という言葉です。

例えば、お店の常連さんが
店主が急に席を外した時に
もたつきもなくレジを守るとか

商店街の楽器屋が、吹奏楽部の学生には
楽器選びや演奏の上達だけでなく
人生相談の場にもなっているだとか

古本屋で飲み会が開かれていて
年齢や性別を超えたつながりが
生まれているだとか。

こういうのが
「市場原理と贈与交換のブリコラージュ」
なんだそうな。

これは人類学者の
生井達也さんの言葉だそうです。

その名の通り、市場経済と、贈与交換が
その場で寄せ集められて生まれたもので

カネだけのつながりでもなければ
モノだけのつながりでもない。

組み合わさって人間関係や
自制的な秩序が開かれていく、と。

現代社会で生きていくためには
税などは原則としてお金で
払わないといけませんし

従業員にも現物支給だけ
というわけには行きません。

だからお客さんからも
お金をもらわないことには
回っていかないわけですが

時に、お金をもらう以上に
贈与交換の瞬間が嬉しい
そんなこともありますよね。

単にプレゼントをあげる
お土産をあげる
ということではなく

やっぱり
「市場原理と贈与交換のブリコラージュ」
というのがキーワードかなあ。

工務店が、小さな町を作ろうと
しているケースが増えてきました。

建築の対価を贈与で、というのは
現実的には難しいですが

例えば、そんな町の管理を
工務店が担うとしたら…

住まい手同士の「自治」は
貨幣でなくて贈与が働く割合が
大きくなりそうだし
そこに工務店が関わっていくとしたら

市場原理と贈与交換のブリコラージュが
成立するように思います。

ここまで書いたらピンとくる人は
くるだろうし

何言ってるかわかんねーや
けど興味ある、という方は

『コモンの「自治」論』を
ぜひ読んでみてください。