ちょっと前に鳥羽水族館に行ってきた
ってのはブログにも書きましたが
その時に見たジュゴン
ジュゴンと似た種の
ステラーカイギュウというやつは
あまりにもおとなしく狩り放題で
人間に発見されてから
わずか27年で絶滅したそうです。
そんなの遠くの世界の昔の話
と思うかもしれませんが
そうでもないんです。
国産材を使っている工務店さんも
多いことでしょうけれど
この国産材の最大の敵…
と言ったら何を想像しますか?
外材? いえいえ
鹿です。
です、と言い切るのは問題かもしれないけど
林業の現場では本当に鹿に悩まされています。
鹿の皆さん、スギやヒノキの苗を
食べちゃうんです。
こんな小さな苗だけでなく
かなり大きくなっても木肌をかじって
枯らしてしまう…
だから植樹後、ある程度の大きさになるまで
なんとか鹿を近づけないようにしないと
いけないのです。
鹿の個体が増えすぎて
行政が鹿退治に報奨金を出していますが
それでも個体数は減るどころか
増えているようです。
なんでこんなに鹿が増えたのか?
諸説ありますが
狼(ニホンオオカミ)が絶滅したから
という説もあるようです。
捕食者である狼がいなくなったので
鹿は増え放題。
さらに、長く雌鹿は禁猟だったり
狩猟者自体も減ったりで
鹿は増える一方です。
(里山の場合は人間も生態系の一部なんですね)
ニホンオオカミの絶滅は
ステラーカイギュウほど
センセーショナルではないかも
しれませんが
古来からあった山の中のバランスを
崩してしまったという点では
同じように罪深いことだと思います。
同じようにイノシシも増えていて
こちらは林業というよりは
主に農業にダメージを与えています。
みかん山で仕留められたイノシシの肉を食べようぜ
という機会に恵まれたので
粋がって焼いたり煮たりしてきました。
クミンを使えば大抵の肉はうまい。
磯自慢の酒粕をおごって粕汁。
いや〜これが鹿だったら
林業保護ストーリーとして
もうちょっとうまくまとまったんですが
ま、少しは農業に貢献したとかも
いうことで満足しておきます。
(僕が仕留めたわけでもしめたわけでもない
料理して食べただけだけど)
かといって一斉に駆除して
絶滅させてしまったりすると
また別のひずみが出てきてしまう
そんなこんなで農家はイノシシ
林業家はシカと果てしない戦いを
続けているわけです…
皆さんが使っている木材は
そんな林業家の苦労の末に
数十年後にようやく伐採できるという
とても手間がかかっているものです。
そういう木を使って家を作るんだから
木が育ってきた期間以上に
長持ちする家を作るのが
作り手の使命ですね。