工務店のサイトって、なんで「これから建てる人」しか想定してないんだろう

施工事例、お客様の声、家づくりの流れ——工務店のサイトはほぼ全部、新規客向けです。それ自体は間違っていない。でも、OBも、そしてOBの口コミで来た人も、同じサイトを見ています。


工務店のwebサイトを見ると、たいてい「施工事例」「お客様の声」「家づくりの流れ」「よくある質問」あたりが揃っています。
全部、「まだ家を建てていない人」に向けたコンテンツです。

これはまあ、当たり前といえば当たり前の話で、工務店にとってwebサイトの一番の役割は新規客の獲得です。

既に建ててもらったお客さんとは、LINEや電話でやり取りしているし、わざわざサイト経由で連絡してくることもない。
既存客がサイトを見る理由があまりない、という判断はそれなりに合理的です。

でもなあ。

「既存客はLINEで繋がってるから、サイトは関係ない」って、本当にそれでいいのか?


あなたの会社でお家を建てたOBのお客さんが、友人に「いい工務店があってさ」と話したとします。
友人は当然、その会社のサイトを見ます。

そのとき、サイトに何が書いてあるか。
施工事例と、なんとなくふんわりしたコンセプトページと、代表の挨拶文。家づくりの流れ。
それだけだったら、友人はどんな印象を持つでしょうか。

OBのお客さんが「この会社に頼んで良かった」と思っている理由は、たいていは、建ててもらってからの体験の中にあります。
何かあった時の対応が良かったとか、定期点検がしっかりしていたとか、連絡したらすぐ来てくれたとか。

でも、そういう話はサイトには見当たらないことが多い。

クチコミで来てくれた人も、サイトを見て「ふーん、普通の工務店だな」で終わってしまうかもしれません。

OBの口からこぼれた「あの会社いいよ」を、サイトがせき止めているとしたら?


もう一つ、視点を変えてみます。

家を建てたお客さんが、数年後に「そういえばあのとき言ってた、外壁のメンテってどうすればいいんだっけ?」と思ったとします。

しょっちゅう連絡しているならいざ知らず、前回の点検から2年経過後、なんてタイミングだと、LINEで聞くのはちょっと気が引ける、という人もいることでしょう。もう少し自分で調べてみてから、と思う人もいる。

そういうとき、会社のサイトやブログに「外壁のメンテナンスはこういう目安で」なんて記事があったら、どうでしょう。
「あ、この会社ちゃんとしてる」ってなるはずです。新しく建てろ! という話だけじゃないんだな、って。

そして、そのページに辿り着くのは、なにも既存のお客さんだけじゃありません。
「外壁 メンテナンス」で検索してきた、まだ見ぬ誰かかもしれないのです。

既存客向けのコンテンツが、新規客への信頼になる。

これは、決して非効率なことではないはずです。


工務店のサイトが新規客向けに特化しているのは、「まだ来ていない人を呼び込む」という設計思想から来ています。それ自体は間違っていません。
ただ、家を建てた後の方が、付き合いは圧倒的に長いのです。

「建ててからが本当のお付き合い」というところは多いけど、そのお付き合いがなんなのかは、実は明らかになってなかったりして。
「もう建てたから関係ない」じゃなくて、「建ててからが本当のお付き合い」がメインのサイトがあってもいいんじゃないか、と思うのです。

まあ、売上が立つのは竣工前がほとんどだから、そうなっちゃうのはわかるんだよなあ。でも、そこに気づいた工務店が、ちょっと強いのかもしれない。