びおソーラーによる木材乾燥倉庫のとりくみ

昨日一昨日と、紀州材という
キーワードをチラチラと
散りばめておりました。

和歌山訪問の目的の一つが
瀧岡木材・瀧岡俊太さんとの
打ち合わせです。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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瀧岡木材さんは和秋建設さんの
材を納めている
那智勝浦の製材所です。

瀧岡さんのところで
現在、びおソーラーを使った
木材乾燥庫の計画が進んでいます。

その広報活動をどうやっていこうかと
和秋建設・前田さんと三者での
ミーティングです。

同じ紀州の材とはいえ
植林の場所・条件などで
立木での含水率に違いが出ます。

瀧岡さんは、自然乾燥材にあう
産地を選んで丸太を調達していますが
それでも木ごとの性質に違いがあります。

乾きにくい材もあれば
乾きやすい材もある。

ただ、たとえ乾きにくい材だからといって
燃料を大量に使う人工乾燥は
全く眼中にありません。

材料の乾燥の幅を
人工乾燥をせずに
どうやったら抑えられるか?

そこで太陽熱に白羽の矢が立ちました。

びおソーラーは
元々、住宅向けに開発されたものです。

人が快適に暮らすのと
木材を乾燥させるのとでは
当然、必要な条件は異なります。

木材を太陽熱で乾かす場合
温度も大事だけど湿度も大事。

太陽熱を使った木材乾燥は
先例があります。

宮城県登米市登米町の
ToSMS(トスムス)」です。

びおソーラーのwebでも
紹介させてもらいました。

太陽熱木材乾燥庫(宮城) | 奥村(びお)ソーラー
今回は、住宅以外へのびおソーラーの活用例をご紹介させていただきます。東日本大震災後、宮城県唯一の地域木材を活用し地域の人の手による木造応急仮設住宅を建設したのが、登米町森林組合でした。地域材の安定供給の重要性を再認識し、灯油等の化石燃料を使...

そのToSMSに
昨年の7月に、和秋建設・前田社長と
見学に行きました。

登米町森林組合の
竹中雅治さんにお話を伺う
前田さん。
(お二人とも背中の写真で
恐縮ですが…)

瀧岡さんも、自然乾燥の良さをもちながら
材料の仕上がりの幅をより抑えられる
このやり方に賛同してくださり

「紀州びおウッド倉庫」の建築が
決まりました。

ToSMSは既存のビニールハウスを
転用したものですが
びおウッド倉庫は木造の新築です。

地域も作りも違います。

その効果のほどは
和歌山県林業試験場との共同研究で
明らかにしていく予定です。

石油を炊くときだけ入れる
人工乾燥の炉とは違って
熱源はおひさまだけの倉庫です。

倉庫の中に太陽熱で暖められた
空気を大量に導入して
乾燥を促進します。

人工乾燥で排出される二酸化炭素は
㎥あたり300kgとも言われます。

世帯あたりが年間に排出する
二酸化炭素が3トン程度。

10㎥の材を人工乾燥させれば
一世帯が暮らした時と同じぐらいの
二酸化炭素が出る…。

もちろん、燃料代も膨大にかかる。

人工乾燥だけでなく
自然乾燥・太陽熱乾燥にも
メリットやデメリットがあります。

そんな課題を
ミーティングで
共有しながら

どこにいる
だれに
どんなことを
どうやって
伝えたらいいのか

なんてことを
考えた一日でした。

「びおウッド倉庫」が
完成のあかつきには

同じような疑問を
持って取り組んでいる
たくさんの人に見てもらいたい!

完成まで
もうちょっと待ってくださいね。