ようやく森林環境譲与税の基準が見直される?

来年度から森林環境税の
徴収が始まります。

国民一人、年間1000円を
国税として支払うことになります。

この税金は市町村での
森林整備の財源として
国から市町村・都道府県に
配られます。

この配られるのが
「森林環境譲与税」

こちらは、森林環境税の
徴収に先立って、2019年度から
国から市町村・都道府県へ
配布(譲与)されています。

林野庁が公開しているスキーム図。
左側が来年度からの実施
右側はすでに実施されています。

詳細はこちら

森林環境税及び森林環境譲与税:林野庁

この森林環境譲与税についての
見直し報道が出ています。

現在の配分額は
・私有人工林の面積(50%)
・人口(30%)
・林業就業者数(20%)

を基準に決まります。

昨年度の市町村への譲与税で
一番多いところは
403,962,000円(約4億円)

わが浜松市は全国2位で
約3億5000万円です。

この税金の使い道は
各自治体が公開しています。

浜松市の場合

森林環境税及び森林環境譲与税
森林環境税及び森林環境譲与税に関する浜松市の活用方法を紹介

浜松は、「天竜美林」を抱える
全国有数の林業市です。

森林面積、人口、林業従事者ともに
多いので全国2位も納得です。

譲与税は林道整備などに使うほか
森林教育などに使われています。

前に紹介した木こりの前田さん

顔の見える木こりの皆さんと話す
管理している土地の 栗の木がずいぶん大きくなり 一部枯れた部分も… 道に張り出している ところもあって 万一倒れると危険です。 ちょっと自分では できない作業でしたので プロにお願いしました。 ——– 地域をよくする工務店を 応援するネット...

彼もこの事業による森林教育などで
活躍しています。

さて、譲与税が多い
市町村、輝かしい1位は…

なんと、横浜市。
横浜は林業が盛ん、という
イメージはありませんよね…

でも人口が多く
人工林も少しあるので
現在の計算だと横浜に
たくさんお金が入ります。

森林環境税・森林環境譲与税(国税)

横浜市では基金積立の他には
学校関連施設に木を使う
という出口側事業にほとんど使っています。

ただ、やっぱり森林がそんなにない
横浜のような都市に多額が投じられるって
おかしくない? という声はずっとありました。

ちなみに、昨年度の3位は
大阪市で、約3億1000万円。

大阪の額が多いのも
横浜と同じパターンですね。

大阪でも、直接の林業ではなく
出口側にお金が使われています。

この譲与税が一番少ないのは
沖縄県渡名喜村で
3万8000円。

桁、間違ってないです。
さんまんはっせんえん。

少ない方から3位までは皆沖縄の村で
どこも10万円に届きません。

こんなの、事務手続きとか
使途公開のページ作るだけで
消えてしまいそうですね…

(こうした税額が少ない自治体は
基金で積み立てるのみ、が多いようです)

新しい配分案は
来年度の税制改正要望に
盛り込まれる方向です。

林産地に補助金を投じ続けるのが
いいのかどうかも諸説ありますが

税金の趣旨からいえば
森林がまともに整備されるように
なるきっかけに使われるべきですね。

みなさんの地元の自治体でも
使途が公開されているはずです。

中には工務店の仕事に関わるものも
あるかもしれませんので
チェックするとともに

正しい税金の使途になるよう
市民としても声をあげていかないと
いけませんね。