会社のストーリーを語るのは社長しかいない

モノを売るのではなく体験を売る、というのはよく言われます。
この典型がデザイン家電のバルミューダではないでしょうか。
モノには生まれた背景があってデザインには意味がある。そしてそこには人の意思がある。
そんな話です。


モノを売るのではなく
体験を売る、というのはよく言われます。

この典型がデザイン家電の
バルミューダではないでしょうか。

モノには生まれた背景があって
デザインには意味がある。
そしてそこには人の意思がある。
そんな話です。

工務店のモデルハウスに行くと
高確率で置いてあるのがこれ。
BALMUDA The Toaster。


写真は公式サイトから拝借しました。

みんな飾っているだけなんだから
トースト機能のない外側だけ販売したら
工務店に爆売れするかな…
というのは置いといて

バルミューダは元ミュージシャンの
寺尾玄さんが興した会社です。

バンド解散後にもの作りを志し
当初は「バルミューダデザイン」という
名前で、かっこいいものを作る

そんな会社でした。

空気清浄機や加湿器
ヒーターや照明など
室内環境に関わるものが多く

メジャーになったのはやはり
トースターからでしょうか。

みんな、室内環境より
食い物のことの方が
気になるんだね。

それはともかく
バルミューダの製品の多くには
「ストーリー」が記されています。

例えばトースターならこれ

ストーリー | BALMUDA The Toaster | バルミューダ株式会社
BALMUDA The Toaster(バルミューダ ザ・トースター)の開発ストーリーは、1991年のスペイン南部の町ロンダから始まりました。驚きや発見に満ちた完成までの道のりをご紹介します。

僕んちに唯一あるバルミューダモノ

ランタンの場合も

ストーリー | BALMUDA The Lantern | バルミューダ株式会社
使う人に、味わい深いよい時間を過ごしてほしい、そんな思いから生まれたBALMUDA The Lantern。その開発ストーリーを紹介します。

それなりに長い
ストーリーがあります。

僕もそのストーリーにヤられて
買ってしまった口です。

バルミューダはデザインだけで
クソ高いと揶揄する人もいますが

外観だけではなく
それぞれの製品に新しいアイデアや
技術が投入されています。

その上で、ストーリーを語る。

ここまではよくある
(というか模倣が増えた)
話です。

僕が注目していたのは
このストーリーが
創業者・寺尾玄さんの一人称で
語られているところ。

プロセスへの共感だけでなく
人への共感がヒットの根底に
あったのではないでしょうか。

ところが最新の作品
「BALMUDA The Plate Pro」
(ホットプレート)には
この「ストーリー」がありません。

特徴 | BALMUDA The Plate Pro | バルミューダ株式会社
ライブキッチンのおいしさと楽しさを実現するホットプレート、BALMUDA The Plate Pro(バルミューダ ザ・プレート プロ)。6.6㎜厚の3層クラッドプレートと正確な温度制御により、さまざまな料理をプロの味わいに焼きあげます。

見た目はかっこいいし
作るのも楽しそう
作ったものはウマそうだ。

でも、なぜストーリーがないのか?

もはや社長の手を離れて
会社組織で生み出されるように
なっているからなのか…?

必ずしも全部の製品に
ストーリーは
記されてきませんでしたが

なんだかちょっと心配です。

もっとも、スマートフォンのように
ストーリーが明記されていても
コケてしまった例もありますが…

住まいも、デザインと性能を
兼ね備える必要はもちろんですが

この「ストーリー」が
住まい手にとっては
とても重要です。

ところが、意外とみんな
そういうことを語っていない。

語っているように見えても
どっかで見たような話ばかり。

小さい工務店は
ほぼ社長の言動が全てを
決めてしまいます。

その社長の語る言葉が
メーカーから借りてきた言葉とか
本に書いてあった言葉じゃ
ストーリーが成り立たないよね!

僕はそのストーリーを世に出す
お手伝いはしますけど

ストーリーの筋書きを作るのは
社長、貴方しかいませんよ!