美しさについて語ると大変だからあまり語らない

もうじき母の日ですね

僕は昔からあまり記念日とか
誕生日とかいったものに
関心がありませんでした

感謝の気持ちがないわけではなく
その日だけとりつくろえばいい
みたいなのが嫌で…

とはいえ、この歳になると
離れて暮らす母親とも
あと何回会えるかわかりません

そうなると、「母の日」みたいな
特別な日が、何かを伝える
タイミングとしてはいいわけです

というわけで、今日はお花の話です

世俗を離れる直前に
お花が届きました

大谷芍薬園の芍薬の箱

エレガント!

芍薬・白

立派な芍薬

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

の、芍薬です

友人の大谷美和さんのところの
大谷芍薬園から送っていただいたもの

芍薬はその名の通り
元々は薬草扱いだったようですが
今はお花を愉しむのがメインかな?

花が咲くのは今頃
母の日にちょうどいいので
プレゼントにも人気

毎日、出荷分があっという間に
売り切れてしまいます

花の様子にもよるので
この時期でも
毎日発売されるわけではないけど

たぶん、今日は
発売されるんじゃないかなあ?

花の時期は「今頃」
とは言っても毎年ぴったり
気候が同じなわけじゃないし

母の日のあたりに花が咲くように
育てて送るのは
おそらく相当な苦労があるのでしょう

つぼみの状態で届いた花を
水切りして花瓶に生けると
だんだん花が開いてくる

芍薬

それだけで嬉しくなってしまいます

世阿弥が記した能の能書
『風姿花伝』には

能楽者を花になぞらえて

肉体的、外面的な美しさを持つ
「時分の花」

そうした外面を失ってなお輝く
「まことの花」として説きます

今回届いたお花には
外面的な美しさも
もちろんあるのですが

この時期に咲くように
そして手元に届いてから
開花が楽しめるように
というところが「まことの花」
かなあ?

住まいのデザインも
20代、30代で惚れ込んだ
「時分の花」が

一生涯住みこなすうちに
「まことの花」になるのか

僕はそこに
まあまあな絶望を覚えていますが

家の美しさというのは
プロポーションだけでもなく
材料だけでもなく

住まい手の暮らしぶり
それは掃除とか片付けが行き届くとか
そういうのだけではなく

思い入れというか
ある種の呪いとでもいうか
そんなことが重なっていくと

「時分の家」が
「まことの家」になるのかな…

なんて、いつになく
面倒な話になりましたが

よかったら芍薬を
買って飾ってみたら
少しはわかってもらえる、かも

大谷芍薬園

↑その日の出荷分は即、売り切れるので
まめにチェックしてくださいね