8月より暑い10月、みたいにならないために

窓からの日射って、ほんと、ありがたい時もあれば憎らしい時もありますね。うまくコントロールできてると素敵。


昨晩の中秋の名月も浜松では曇り時々雨
ちょっと残念でした。

昨日は月のことに注目していた人も
多いかもしれませんが
僕はどちらかというと太陽の方が気になりました。

日中は10月だというなのに暑かったし
特に僕の仕事場は暑かったのです。

なぜでしょう?

僕が仕事をしている場所(自宅1階)は
方位が割と東に振れています。

この時期だと9時〜10時ぐらいに
太陽が正面にある感じ

真夏だったら、この時間にはもう
太陽が高く登っていて
部屋に日が入りませんが

10月になると太陽高度が下がってきて
ちょうど9時から10時ぐらいに
猛烈に日が差す状態になります。

今年は、窓のそとにあった木の枝が
先日の突風でかなり折れてしまい
日差しを遮るものが減ってしまいました。

そんなことも重なって
10月なのに8月よりも
部屋に日差しが入って暑い

そういう状態になっていたわけです。

(実際の室温はそこまで高くありませんが
暑さへの慣れも忘れてきた頃で
朝に下がった室温との差、そして何より
輻射熱は体感的に暑いということ)

毎日少しずつ太陽の位置は変わっているので
良くある「冬至・夏至の太陽高度」だけでは
対処しきれません。

もちろん、一番条件が悪い時期を
うまく乗り切れるように設計する
というのはとても大切
ですが

それによって、本来は元々快適なはずの
中間期が不快になる、なんてことがあれば
本末転倒ですよね。

高断熱だけど
日射遮蔽、日射取得を考慮していない
そんな建物の場合には

いわゆる「中間期」に暖冷房費用が
必要になるという
不思議な現象が起こりえます。

窓を開けたら気持ちの良い風が
通る時期であっても

元々通風を考慮していないので
窓を閉めたまま冷房(や送風運転)を続ける

実際の電気代は真夏ほど
かからないでしょうけれど
なんか、もったいないですね。

でも、快適な中間期の期間は短いから
その時のために通風などを考慮するのは無駄
という考え方の方が
最近では支配的な気もします。

実際に10月でもまだ暑い日があり
秋や春は短くなっていると感じます。

だから締め切って空調しよう
というのが定石になりつつありますが

その短いけど心地よい時期を
いかに建築で長く感じさせるか

そういう意味で
中間期をうまく過ごせる家
もっというと
中間期を長くできるような家

というのが設計できるなら
大いに自慢していいんじゃないかなあ!

ご近所にできた
新しい家も昨日は窓が開いていました。

そこを建てた会社は
365日全館空調! とうたっていますが

住まい手にしてみれば
窓を開けて気持ち良ければ
空調を止めて窓を開けたい
という自由もあって当然です。

理屈としては
閉じて空調機器を動かし続ける
という方が安定するのはわかるし

こんなことしても「コスパ」も「タイパ」も
よくなるわけじゃないから
そういうのを求めているお客にはウケないでしょうが

機械に頼らない、不安定な快適さを
ちゃんと味わえるようにしておくことが
これからの「高性能住宅」に
必要な「余白」なんじゃないかな〜