その家の換気は本当に適切?


「コロナが終わって〇〇」
みたいな話をよく見聞きします。

僕自身は今のところ感染せず
元気に過ごしておりますが

第9派がきているとかなんとか
身の回りでは今も感染が出ていますし

「政府によるアバウトな行動制限
が終わった」だけかもしれませんね。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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コロナ禍初期はちょうど冬だったので
換気が重要と言われても
寒くて嫌だ! という言説が目立ちました。

飲食店が「換気に気を配ってます」
というのが、サーキュレーターが
部屋の中で動いているだけとか。

窓をちょびっと、一箇所だけ開けていたり。

サーキュレーターは空気を動かしますが
出口がなければ中で撹拌されるだけだし
窓も一箇所だけでは通気の効果が少ないです。

窓の外に向けてサーキュレーターなら
いいですけどね。

ともかく、換気ということが一般には
だいぶ誤解されているようでした。

居室の換気は0.5回/時というのは
シックハウス対策で作られた
基準です。

同時に建材の使用制限も行われました。
揮発性有機化合物(VOC)が健康を害するので
換気をして外に捨てよう、ということ。

でも、この0.5回換気の根拠になっているのは
VOC濃度ではありません。
他ならぬ、人間です。

人は呼吸で二酸化炭素(CO2)を吐き出します。
CO2濃度が上がると
頭痛がしたり吐き気がしたり…

うちの事務所にもnetatomoのセンサーがあります。
なんか頭痛えな〜と思って値を見ると
とてつもない数字になっていることがあったり…

人間が多い時間帯はてきめんに
CO2濃度が上がります。

大雑把にいえば
CO2濃度が1000ppmを下回っていれば
換気できている、という目安です。

僕はやや過敏なのか、1000ppm近くになると
ちょっと気分悪くなってきます。

コロナ対策でも、後期にはお店に
CO2センサーを置いているところが
多くなりました。

120平米の住宅に家族4人が
暮らした時に1000ppmを超えない
換気回数が0.5回ぐらいという
目安で設定されています。

そのぐらいの換気があれば
VOCも排出できるだろう、と。

F☆☆☆☆建材が普及して
建材からのVOC排出は
少なくなっているはずです。

そうなると換気量はもっと
減らしてもいいという説もあります。

暖房負荷という観点で見ると
外皮性能が上がっても
換気の負荷は減らないので

相対的に換気の負荷率が
大きくなります。

だから換気量を絞りたいという
考えもわかります。

でも、CO2は人間がいれば
必ず出ます。

先日書いた熱の話以上に
人間の人数が
室内環境に影響します。

0.5回換気というのは
ある条件で、えいや、と
線を引いた基準です。

家族が少なければ
そんなにいらないかもしれないし

家族が多いとか
よく来客があるとか

そういう場合は0.5回では
足りないかもしれません。

非住宅ではCO2濃度で制御する
排気システムが使われていますが
住宅の場合はまだ一般的ではありません。

住まい手さんがきちんと換気措置を
することもないだろうから、えいやー、で
0.5回換気となっているわけです。

温熱環境も大事ですが
室内の空気室も家族の健康に
大きく影響します。

その家、その家族にとってどのぐらいの
換気量が適切なのか、なんてことまで
考えていたら大変かもしれませんが…

きれいな空気の家を作る、というのは
工務店の成すべき、かなり上位の
事柄ということを忘れないで!