わかめの下ごしらえでも能書を考えちゃう

生わかめをいただいたので葉と茎に分けて下処理を…なんてプロセスを経なくても、わかめで料理はできるのと同様、建築も手間を減らして作ることもできる、けどさあ…


22、23、24の三連休は
大寒波
普段は雪が降らないところでも
積もったり、ですが

ここ浜松は例によって
そこまで寒くなくて

って話ばかり書いているけど
浜松は冬の風がとても強くて
外の体感温度はかなり低くて
ところかわればなんとやら…

でも、春は
確実にやってきているわけで

そんなの旬の走りで
わかめをいただきました。

カットわかめは年中売っているので
わかめの旬を知らない人も
多いかもしれませんが

今頃から5月くらいまでが
わかめ採取の時期です。

採ったわかめは
そのままでは食べられないし
すぐ傷んでしまうので
いろんな下処理が必要です。

茎、葉を切り分けて
茹でておくとひとまず安心

普段、売られているのは
乾燥わかめか塩蔵わかめが
ほとんどですよね。

乾燥カットわかめを使えば
料理はずいぶん楽ですが

カットされたものは大きさも選べないし
茎に近い厚い部位や
先端の薄くて柔らかい部分など
好みの状態を選ぶこともできません。

自分であれこれとやりたいんだったら
既製品を買ってくるんじゃなくて
素材の段階から加工しないといけないって

まるで木材のようではありませんか!
(ちょっと、強引…?)

木材もわかめも
流通品だけで建築や調理を
組み立てた方が早い、だから安い。

建築を規格品(木材に限らず)に
あわせて作ることは
合理的であり、それはそれで
僕も好むところですが

一方で、そればかりになると
規格モノ、既製品以外を使って
作る、という能力そのものが
衰えていくのでは…という
おそれがあります。

現に、図面が読めない大工とか
漆喰が塗れない左官とか
配線図が読めない電気屋とか

そういう人にも遭遇したことがあるけれど
それでやってこられたから不思議…
なのか、それが現代の働き方ってやつなのか…

調理されてしまえば
生わかめか乾燥カットわかめか
区別がつかない人が多いであろうし

住まい手さんも
建物の仕上がりにこそ関心はあれど
材料の由来や職人の存続には
関心が全然ない人も多い。

確かに
出来上がったものが真実であり

いくらそれ以外のことを
並び立てたって仕方ないかも
しれないけど

お客さんが素材や職人に
関心がないからといって
工務店もそうなっていくと

行き着く先は
ものづくり、とは別の何か
なのかなあ…

毎日、生わかめを料理するような
仕事はできないかもしれないけど
意識して、たまにはそういうことも
していかないと

あれはやったことがない
これはできない
という職人(と呼べないか)しか
残らなくなって

結果、ものづくりの現場が
ますます苦しくなるよなあ…

という僕も
せっかくの生わかめも
食べきれないので結局冷凍です。

そんな感じで
いつもいつでも完璧な
材料や加工なんてことは
難しいかもしれないけど

建築の面白さって
やっぱりものづくりの
面白さですよね。

カットわかめどころか
インスタント味噌汁しか
作ったことがない

そんな職人ばかりにならないように
ものづくりの面白さを
きちんと伝えていきましょう。