僕は通常はお土産なるものを買いません。
お土産選びのセンスがないので
通り一遍のものだとつまんないし
じゃあなくていいや…と。
そんな僕でも強力なお土産ブランドを
知っています。
これ。
虎屋の羊羹(の袋)。
この袋を持ってきた客は
崇め奉られるという
伝説の手提げ袋です。
(この手提げはミニ羊羹用です)
なんで羊羹の話かって?
実は昨日の続きです。
昨日書いた東山旧岸邸
現在は御殿場市に寄贈され
虎屋を展開する株式会社虎玄が
指定管理者として運営しています。
そして、この旧岸邸の受付棟では
虎屋のミニ羊羹が売られているのです。
敷地内には内藤廣さんが設計した
「とらや工房」なるお店も。
前に行った時の様子。
しかしここにはお土産の
羊羹は売っていません。
(干羊羹というのはあった)
スイーツを召し上がるカフェ的な
場所です。
旧岸邸にはあまり若者はいませんが
こっちは若いカップルだらけ。
羊羹は旧岸邸にいかないと
買えないから、そっちも行ってね。
さて、旧岸邸ととらや工房は
どちらも同じ会社の運営なので
こんなリーフレットもありました。
ほしよりこさんの絵によるもの。
ほしよりこさんといえば
「今日の猫村さん」
そして
カーサブルータス紙で
『カーサの猫村さん』
を連載しています。
妻が好きなもので
家にありました。
一巻(右上)に出てくる
猫村さんの
「あら〜建築って何の事ですの?」
という言葉。
僕もついつい面倒臭いこと
書いちゃいますけれど
「建築って何の事ですの?」
という人だって当然いるわけです。
そういう人たちにも
建物と、それを作る人たちの
魅力を伝えていくべきなのか?
世の中のあらゆる人に
届ける必要はないですが
届くべき人に届いていないことは
往々にしてあるかな〜と
想像しています。
好きなもの、大切なものの感覚が
工務店とあう住まい手さんは
世の中にたくさんいるんだけど
「建築」という言葉は
生活者にはそんなに身近では
ないかもしれません。
建築というか、建造物と
自分の理想とする生活が
相関関係にあるということ
これは意外と気づかれていない
ような気もします。
羊羹からこんなところに
着地しようとは
自分でも思っていませんでしたが
「家を作りたい!」と探す人を
頑張って獲得するだけじゃなくて
別のルートで「なんかここいいよね」
を確保しておくことが
シュリンクしてきている新築市場だけで
戦わないための重要な要素のはず。
工務店の本業は建築ですし
そこをないがしろにする気は
全くありませんが
そこを活かせる場所を作るためにも
先日書いた「掛け算」の話の
右辺の方をうまく作って
「建築」でアンテナを張っていない人にも
知ってもらわないとね。