家を整えるのは現役世代のうちに。

能登半島地震の被害は未だ全貌が見えず
道路も寸断されて支援物資も届けられないなど
本当にとてつもないことになってしまいました。

地震のリスクを地域別にしてはいけない
ということは以前書きましたが

あらためて、地震のリスクは地域別にしてはいけない
能登半島地震の被害全容はまだ見えない中ですが、家の最も重要な性能である耐震について一層発信していこう、というお話。

今回、大きな被害を受けた
能登半島の先端、珠洲市の状況を見ると
単に制度上の話だけではない
問題も浮かび上がってきます。


(写真は中日新聞から)

珠洲市は、市長が

市内の世帯の多くが全壊またはほぼ全壊

と訴え、未だその被害状況は
はっきりしません。

津波の被害も受けているようですが
やはり問題は、耐震性能を備えていない
住宅が多かったことではないでしょうか。

「珠洲市耐震改修促進計画」によると
2018年の住宅耐震化率は51%

珠洲市耐震改修促進計画 - 珠洲市ホームページ

2018年の全国平均では87%
浜松市は(2020年ですが)91%

これらに比べると極端に低い値です。

石川県全体で見ると
2017年に76%という数字なので
県内でも際立って耐震化率が低い。

一方で、住宅以外の
「多数の者が利用する建築物」の
耐震化率は

石川県全体が86%、珠洲市も86%。
全国の値よりは低いですが
県と市の間に住宅のような差はありません。

市も耐震改修計画は持っていて
改修の補助も行っています。

耐震化率は低いとはいえ
2006年には25%だったものが
2018年には51%へ推移しているので
全く進まなかったわけでもない。

けれど、非住宅の耐震化と
これだけ差が出たということは
個々の住宅側に事情がありそうです。

珠洲市は高齢化率が50%を超えています。

歳をとってくると何か事を起こすのは
億劫になったり、情報が得られなかったり
判断力が衰えたりします。

ましてや、蓄えもない年金生活だとしたら

そんな背景もあって
耐震改修が進まなかった
のではないでしょうか。

昨年起きた地震で応急危険度判定が赤でも
そのまま住んでいた住宅もあるようです。

おそらく
「あと何年生きるかわからないから」
みたいな気持ちもあったかもしれません。

結果として多くの住宅が
倒壊してしまいました。

津波もあったし
地盤の問題もあるだろうから
耐震改修だけで全てが解決するかは
分かりませんが

このような事態を防ぐには
「歳をとる前に対処しておく」
しかない。

時間が経てば経つほど
解決が難しくなっていきます。

元気なうちに、住まいを整えておく
必要がある
という事を強くアピールして
いく必要があるんじゃないでしょうか。

この問題は、昨日書いた
家の資産化にも関わることなのですが
そのあたりはまた改めて。

2024年1月5日 関連して以下のブログを書きました。

最初から貸すつもりで家を作るということ
新築する際、30年後にその家をどうしておきたいか、明確なビジョンを持っている人は多くないでしょう。投資でお金を無理なく増やし、ローンを繰上げ返済して他者に貸す、そういう明確な方針で進んでいる本の紹介です。