先日、髪の毛のカットに
行った時のお話です。
僕より少し後で
男性客のカットが始まりました。
その男は
普通に刈り上げてください
というオーダーをし
その後
もみあげの処理を尋ねられたら
普通にしてください
と答えていた。
普通が功を奏したのか
僕より後から始まった
その男のカットは
僕より先に終わってしまい
僕はカット中は
メガネを外しているので
残念ながらその男の普通ぶりを
見ることができなかった。
普通ってなんだろう？
名詞・形容動詞の普通は
特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。(デジタル大辞泉)
一方で、副詞として
たいてい、とか、一般的に
というような意味もあります。
英語にすると
ますますややこしくなり
normal
異常ではない、正常、という意味の普通
usual
いつもの、習慣的な、という普通
ordinary
特別ではない、平凡な、という普通
カットの男の普通はこれか？
average
平均的な、という意味の普通
カット男はこっちかなあ〜？
そして住宅建築の世界で
よく使われる
standard
これは、基準とか標準とか
水準とか、そんな意味合いが強いです。
住宅業界での普通は
スタンダードなのか？
それとも別の普通なのか？
ちょっとAIに絵を書いてみてもらおう。
お題は
「2020年代に日本に建っている普通の家」
まずChatGPT(DALL·E)
うーん、2020年感があるかというと
微妙だし、普通感も控えめ？
周りの家よりも新し目な感じはある…か？
↓Firefly
よくみると奥の建物と
一体化していて
他にもあれこれ破綻しているが
それを差し引いても
2020年という感じはしないなあ
まあ、普通感はなんとなくあるけど
↓Recraft
絵のタッチは
2020年感ある気がするが
家はどうみても前時代的
「日本の」ってつけると
瓦屋根にしちゃうんだよな〜AIさんは
↓Gemini(Imagen3)
これまた瓦だが
玄関らしきところが
オープンで畳というアバンギャルドさ
これが2020年代か…
というより太陽光発電で
無理やり近年感を出している気がする。
というわけでAIには
普通の家は
わかんないみたいでした。
詰まるところ
「普通の家」像は
各人各様ってことなんでしょうか。
というよりも
普通かどうかって外観だけじゃなく
作り方の問題
もっというと作り手の哲学の問題
かもしれない。
会社のスタンダードを
持っておいて
お客の注文を
そのスタンダードの範囲で
さばく
これが普通にできたらいい。
お客さんが
「普通の家がいいです」
とオーダーしてくるケースは
そんなにないかもしれない。
でも、実際のところ
普通≒普遍的と考えると
すごく重要です。
永い必要
永い好み
永い寿命
この三つを満たせる住宅が
普遍的≒普通の家
と考えてみたら
さて、今みなさんが作っている家は
そうなっているだろうか。
