中山美穂さんが
自宅のお風呂で亡くなられていたと…
芸能ニュースに関心がない
僕のところにも届くぐらいなので
一般にも広く知れ渡っていることでしょう。
しかしこのニュースで気になるのが
当初
ヒートショックか?
と報じられていたこと。
FNNプライムオンラインより
報道のタイトルには
ヒートショックか溺れた可能性も…
とありますが
動画の見出しには
ヒートショック可能性も
とだけ。
その後、所属事務所の発表が
死因は入浴中に起きた不慮の事故によるものと判明いたしました。
とありました。
これだけだと
お風呂で何が起きたかは
わかりませんね。
世の中ではヒートショック
という言葉が
一般的になっているのか
目新しいのか
中山美穂さんの死去と
ヒートショックを絡める
コンテンツが乱発しています。
しかし、この
ヒートショックという
言葉には要注意。
あなたが思っているヒートショックと
誰かが思っているヒートショックは
違うかもしれない。
政府広報オンラインで
入浴中事故について
触れられています。
その中の絵
居室と脱衣所・風呂場
そして浴槽の温度差で
血圧が上がったり下がったり
その影響で
脳に血が廻りにくくなり
意識障害を起こす。
結果
浴槽で溺死することがある…
ということ
この記事では
ヒートショックという言葉は
使われていませんが
俗に言うヒートショックがこれでしょう。
しかし、浴室での溺死事故は
ヒートショックが主流ではない
という報告もあります。
ご存知の方も多いであろう
「住宅の断熱化と居住者の
健康への影響に関する全国調査」
これの第7回報告会(2023年2月)で
以下のような報告があります。
(同様の内容はもっと前から報告されています)
https://www.jsbc.or.jp/document/files/230214_event_doc.pdf
ここから資料を抜粋して
紹介すると
断熱改修すると
血圧リスクは低下する
ということはあるみたい。
ヒートショックの予防になる
と言っていいんでしょう。
一方で浴室入浴時の話
入浴を始め住宅内での事故は
交通事故を逆転していて
今や自宅が一番危ない場所?
そして入浴については
室温が高いと熱め入浴確率が下がる
と。
熱め入浴で何が起こるか
といえば
浴室内熱中症
これはヒートショックとは違うのです。
かつてヒートショックで亡くなっていた
と思われていた人の多くが
浴室で熱中症になって亡くなっていた
そういう調査結果も見られます。
(浴室内熱中症の知見が少ない時代は
全部ヒートショック的に扱われていたので
過去の統計からは読み取れません)
つまり、寒い家でなくても
熱めの入浴で浴室内熱中症は
起こりうる、ということ。
(絵のような血圧低下、じゃないけど)
このへんの話は
「建物事故予防ナレッジベース」にあり
先の全国調査もされている
慶應義塾大学の伊香賀教授の話も出ています。
こっちの方がわかりやすいですね。
ぜひ読んでください。
熱い風呂に入ると
熱中症で死んでしまうことがあり
暖かい家なら
熱い風呂に長く入る人が減る傾向がある
つまり高断熱住宅でも
熱い風呂に入りたがる
生活習慣が改まることが多い
というだけで
熱い風呂に入った時のリスクが
減るわけではないってこと。
もちろん
脱衣場や浴室が寒ければ
ヒートショックで
心筋梗塞などを起こし
結果浴室死する恐れはあるし
お酒を飲んで風呂に入れば
やはり激しい血圧変動で
死亡するかもしれない
(マジですごい動悸がするから試しちゃダメよ)
そして
若くても
健康であっても
酔っ払っていなくても
家があったかくても
熱い風呂に長湯すると
熱中症で死んでしまうことがある…
中山美穂さんの死因が
これらのどれなのか
あるいは全く別かわかりませんが
せめて、このことがきっかけで
入浴のリスクを多くの人が知り
浴室で不慮の死を遂げる人が
減ることを切に願います…
そして、工務店は
ヒートショックと浴室熱中症は
分けて理解しないと
あったかい家では
お風呂は絶対安全だぜ〜
というメッセージになってしまう
恐れもあるので
気をつけましょうね。