令和5年住宅・土地統計調査の
「住宅の構造等に関する集計」の確報が
昨日付で公表されました。
(「住宅及び世帯に関する基本集計」は
昨年9月に公表されています)
2019年以降(で、2023年9月まで)に
増改築・改修工事等が行われた住宅は
28.8%
約3割の持ち家がなんらかの
工事を行なっていると推計されています。
割合は水回りの改修が1位
次いで屋根・外壁の改修
天井・壁・床などの内装が3位
まあ、このへんはいわゆる
「お色直し」ですね。
増築・間取りの変更
壁・柱・基礎等の補強工事
窓・壁等の断熱・結露防止工事
といった重要箇所は
「お色直し」に比べると
だいぶ数が減ります。
いわゆるリフォーム屋さんが
幅を利かしている領域と
構造・断熱などを理解していないと
できない領域
リフォームとリノベーションの違い
なんていうふうにいうこともありますね。
(以下グラフ・表は同集計より)
お色直し系が多いのが
如実にわかります。
建築年毎にどんな工事が行われているか
ということも発表されています。
持ち家全体で28.8%の
改修工事経験が
興味深いのは
2021〜2023年9月の建築
調査日から見たら
築2年かそれより浅い
そういう家でも
10%以上が改修工事をしている
ということ。
この内訳を見てみると
(この絵ではちょっと見づらいので
大元のPDFも参照してみてください)
お色直しだけでなく
増築・間取りの変更や
構造補強・断熱改修が行われている
ということです。
数字として見れば3〜4%程度ですが
それでも2021年以降に建った住宅が
そのような工事を追加しなければいけない
というのは
施主の元々の要望がよほど低かったか
元々の設計施工がよほどダメだったか
どっちにしても不幸な話ですね。
しかも、この2021年以降の構造・断熱改修は
それ以前の古い物件より割合が高いんです。
(同じ表中に色付けしてみました)
増築・間取りの変更こそ
1970年以前の住宅の改修率に
0.1ポイント負けていますが
壁・柱・基礎や
窓・壁の断熱工事は
各年代と比べても1番の率!
古い物件はすでに改修済み
ということも考えられますが
2021年以降というと
日本でもようやく高断熱が
当たり前になってきた頃で
低い断熱性能で建ててしまった人が
高断熱住宅の存在を知って
ショックを受けて改修…なんてことも
あるんだろうか?
あるいは、これまで取り組んでいなかった
住宅事業者が建てた
なんちゃって高断熱の家が
全然ダメだった、とか…?
ちょうどコロナ禍だったので
それも何か関係あるかもしれないけど
(仕切りとか手洗い作ったりとか)
それにしたって築2年程度で
屋根・外壁の改修工事とかって
いわゆる改修工事じゃなくて
欠陥住宅の補修なんじゃないか?
なんて気もします…
同発表資料では
高齢者のための設備工事とか
バリアフリー工事も取り上げていて
さらに最寄のデイサービスセンターへの
距離などという項目もあったりと
だいぶ高齢者シフトです。
これだけをみて
若い人の新築ばかり追わずに
高齢世帯の改修を狙え!
というのは早計かもしれないけど
僕はここのところずっと
そっち方面に力を入れるのがいい
と言ってきているので
この集計結果も
都合よく解釈して
あえて
高齢世帯向けの改修を狙え!
と言っときましょう。
(流石に築浅住宅の
断熱・耐震改修は
絶対数が少なすぎる…とは思うけど
ちゃんと情報発信をしていたら
困った人が来てくれる、かもね…)
住宅・土地統計調査は
いろんな項目を集計していますので
みなさんも
都合よく使って
お客さんを説得してください。
(あれ、使い方、間違ってる?)