先日、ウルグアイの
ホセ・ムヒカ元大統領が亡くなり
割と大きく報道されていました。
『世界でいちばん貧しい大統領』
という本をご存知の方も多いでしょう。
亡くなった時も同じ言葉が
報道に使われていました。
ただ、貧しい、というタイトルが
本に使われてはいるけれど
本人の言葉として
本当に貧しいのはわずかなものしか持っていない人ではない。もっと多くを欲しいと渇望し、いつまでも満足できない人が貧しいのだ
とあるわけなので
そういう点でいうと
ムヒカさんは貧しい人ではなかった
ということなんでしょうね。
質素に暮らす
というのと
貧しい
というのは全然違うと思いますが
「世界一質素に暮らす大統領」では
本は売れなかったんだろうな…
住宅を販売する際に
より高いプラン
より多くのオプション
より大きな家
予算一杯まで
あるいは予算を超えてでも
そんな風に考える営業マンは
少なくないでしょう。
住宅は大きな買い物なので
その宣伝文句もどうしても華美になるし
素材、設備、性能を「売り」にして
お客の気を引く必要があるのは否めませんが
それが本当にそのお客さんに必要なのか?
以前少し触れたことがありますが
高齢の母親と足の不自由な娘の
二人暮らしの家の新築が
二階建ての上に男性小便器までついていて
いいように建築業者に
やられてしまった
という例が身近にありました。
移転補償金が出ていたので
金銭的には問題なかったかもしれませんが
必要ない広さ
移動できない場所
使わない便器
こんなものがあっても
当然ながら豊かではありません。
注文住宅
という名前が
お客さんの注文ならなんでもあり
ひいてはお客さんに
あれこれ注文させよう
そんなことになってしまうのかも
しれません。
注文をすればするほど
豊かではなくなっていくかもしれない。
このぐらいで十分でしょう
そういう住まいの提案が
これからはより支持される
ムヒカ氏の訃報に触れて
そんな風に思うのでした。
…まあ、家はともかく
僕も物欲は強いから
豊かじゃないのかなあ…