日曜恒例メシの話
温泉卵なるものをよく作ります。
白身はなんとなく固まっていて
黄身は半熟というアレ
元々は温泉のお湯とか蒸気とかで
作られていたもので
必ずしも半熟じゃなかった気がしますが
(硫黄のニオイがついてるやつとか)
便宜上、家で作ったやつも温泉卵と
呼ばせてください。
白身も黄身も主成分はタンパク質ですが
性質が違っていて固まる温度が違うので
うまいことすると
白身はトロトロ、黄身は半熟
というやつができるわけですね。
以前はお鍋にお湯を沸かして
時間を測りながらやっていましたが
今はヘルシオ(ウォーターオーブン)で
自動調理しています。
自動調理のほうが失敗がありません。
鍋に張り付いている必要もありません。
調理が終わったらすぐ
冷水につける必要はありますが
気を遣うことといえばそれぐらい。
楽チンです。
鍋で作る温泉卵も
ヘルシオで作る温泉卵も
味の違いなどわかりません。
じゃあ、楽チンなほうがいいよな。
楽チンですが、もう鍋で作る方法は
忘れてしまいました。
技術の喪失です。
まあ、そんな難しい技術ではありませんし
もう一回習得できるとは思いますが
これがより高度な技術
例えば建築の刻みや左官などなら
どうでしょうか。
自動的に、機械がやってくれる
あるいは製品状態で売られている
こういう場合は
自分で手を動かす必要がなく
楽チンで
大抵の場合は安いのです。
結果がほとんど同じ
(厳密には違ってもほとんどの人に
区別ができない)
安くて楽チン
そうなればそっちの方に
流れるのも、むべなるかな
ではありますけど
楽チンで安いのでみんな既製品です!
という飲食店と
材料を吟味した手作りです!
という飲食店なら
どっちがいいか?
まあ、飲食の場合は区別がつくはずですが
建築は、区別がつきにくい分
言葉で語らなければいけないかもしれない。
例えそれをわかってくれる人が少なくても。
飲食も建築も
結局はお財布の中に
左右されてしまうわけですし
あらゆるものが昔と同じように
やり続けられるわけでもない
流通だって変わっているし
法律だって変わってしまう
よく言われる
伝統とは変わらないことではなく
変化し続けることで残ったもの
ということを頭に置いて
伝統を作っていきたいですね。