もし「工務店はもっと減っていい」と言われたら?


地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。

「工務店はもっと減っていい」
と言われたら
穏やかでいられないですよね。

今回は工務店ではなく(安心?)
『農家はもっと減っていい』
という本のお話から。

農家と工務店では
置かれている環境は違います。

違いますが
「こんなに数はいらない」
という説があちこちから出る
そのうち大淘汰が起こる
と言われている点では共通です。

工務店はもっと減っていい
と言われたら
減らない方の工務店になるために
どうしたらいいのか。

たくさんいる同業者と
どうやって差をつけるのか。

本書はあくまで農業の話ですが
参考になることが多々あるので
紹介します。

モノの価値は
モノの中身と
文脈の
二軸で形作られている。

モノは分子でしかなく
関係性が分母。

関係性を分母にした価値は
多分に幻想を含む、とも。

分母の数字が大きくなれば
価値は下がってしまうし
分母が小さくなればなるほど
(関係性が濃くなればなるほど)
価値は増大する、と。

つまり
何を買うかより誰から買うか
ということです。

有機農業は
サッカーのオフサイドみたいな
ものだとも。

サッカーは、オフサイドという
ルールのせいで
ゴール前にどんどんボールが
蹴り出せません。

仕事にオフサイド的制約を設ける

このせいで点が入らなくて
面白くないという人もいれば
そういう制約の中で
ゲームをどう組み立てていくかの
面白さを感じる人もいます。

有機農業も
面白くする制約であり
手仕事の余地が残されている。

これって、工務店の仕事に
通じるところがありますね。

手刻みをする工務店は
主流ではありませんけれど
厳然と存在します。

もちろん、それを面白くする制約
とは思っていないかもしれない。

でも、結果的には
仕事を面白くする制約になり
ひいては「誰から買うか」の
関係を深めることにもなる。

手刻みに限りませんけどね。

工務店業界には
いろんな仕事を肩代わりしてくれる
ビジネスが存在します。

モノと関係性に
関わらないところは
誰かに担ってもらっても
いいのかもしれません。

けれど
モノと関係性の部分だけは
自分たちでやらなきゃイカンよな
と感じた次第です。

工務店にも突き刺さる言葉が
多い本です。
以下、目次から一部抜粋。

・自分よりも強い相手に挑むのが知性
・有機という制約が工夫の余地を生む
・小さいから丁寧なものづくりができるわけではない
・農業のモジュール化と「百姓仕事」
・農業はいつまでも偉くならなくていい仕事
・規格に従うことで楽をしない
・「下働き」が仕事に優劣をつくる

どうだ!
僕が書いたわけじゃないけどさ。
おすすめです。