昨日のブログでは
言いたいことと聞きたいこと
についての話を書きました。
その流れで普段から気になっていたことに
触れてみます。
常々、スペックだけでは差別化が難しい
と言うことを伝えてきていますが
では何で差別化するのがいいのか。
これは会社によって違いますので
一概に何、とは言えませんが
差別化要因とは違うのに
なんだか差別化のように思えてしまう
「ストーリー」と言う名の怪物について
モノよりコト、みたいな話が
幅を効かせるようになって
ずいぶん経ちます。
僕の仕事はモノそのものをどうこう
というよりはコト側に近い感じですから
僕もそんな風に思わなくもないです。
ただ、最近いくつかの本に触れて
「ストーリー」について感じていた
なんとなくあったモヤモヤが
ますますモヤモヤするようになりました。
今年刊行された『物語化批判の哲学』(難波優輝)は
「物語はとても良いものだけど
物語に支配され過ぎているのでは」
ということを説いています。
フィクションとして楽しむことと
現実の価値観や行動指針にすることとの
バランス感覚
そんなものが必要ではないか、と。
住まいの情報発信も
そんなバランス感覚が必要だと感じます。
もちろん、そのバランスは
意図的に崩したっていいんですが
意図しないで崩れてないか
そんなことが気になりました。
ストーリーのないものは支持されにくい
それは確かに否めないのですが
今、支持されている(比較的コストの安い)
住宅やそれを提供する会社には
ストーリーらしいものは見当たりません。
ワカモノはそんなものには
見向きもしないのかな?
とも思いましたが
多くのワカモノが
国政選挙にまでストーリーを求め
うまくストーリーを作ったところが
それなりに勝つ様子を見ると
必ずしもそうでもないのかな…
結局のところ
モノ(安いとか、オシャレとか)が勝ってしまった
ということかもしれません。
だからと言って
負けないストーリーを作るぜ!
というよりも
ストーリーをお客さんに押し付けるより
お客さんのストーリーが生まれていく環境をつくる
そのほうがよっぽど差別化になるよな〜
と思いますが
それってどうやるんだろう?
多分、立派な物語を語るよりも
日々の出来事を積み重ねて
にじみでてくるものに惹かれて
お客さんは集まってきて紡いでくれる
などと夢見てみました。
一つのストーリー一発で逆転
なんてできやしないのです。