単年度マジック

補助金ってタイミングが合えばいいけど、家づくり、まして森づくりまで見たら、単年度っておかしいよなあ


昨日書いたブログでの現場に
こんなノボリが掲げられていました。

花粉症対策でスギ材を積極的に使うと
いくらかの補助が出るという仕組みです。

前にブログで紹介したことがありました。

家を建てて花粉症対策に貢献?
スギ花粉症対策に木材を使ったら補助。ってなんだか不思議な気もしますが、木材の円滑な利用が進めばいいな…

この補助金、4月末に公募要領が発表され
登録申請は5月19日から30日のわずか11日間

木材流通側から案内してもらって
知っていた、という工務店もあるかもしれませんが
「そんなの知らね〜」
というところも多いのではないでしょうか。

僕も実際に対象になっている現場ははじめてみました。

これに限らず、補助金の多くは5月ごろに募集が始まり
年度内に実績報告を終わらせる、というのが多いです。

近頃は補正予算で年度の後半からスタートするものも
増えてきましたが
基本は単年度、というのは変わりありません。

GXとか、メジャーな補助金は
情報も多いですが
他にも色々あるんですよね〜

ただ、年によってあったりなかったり
あっても予算が終了していたり

家づくりのサイクルを考えると
設計期間に1年近くかかるケースもあるし
施工段階でこういう補助があるのか
あったとしてもタイミングが合うのか
ちょっと不明瞭です。

常々思いますが
住宅のための補助金は
年度と予算を区切ったものではなくて

条件を満たせば恒久的に利用できるような
そういうものでないと
不公平だし、何より家づくりのタイミングが
補助金に左右されてしまう。

長期優良住宅のように
各種税金が安くなる、みたいなスタイルだと
上限枠がないのに…
(税収の下振れ、であって、支出じゃないから?)

少なくともタイミングで不公平は生まれにくいですね。

花粉症対策でスギ材を使おう
というのは遠回りなようで
植林されているスギの更新につながればいい
(こっちは当然単年度ではできない)

余談だけど
今、人里に出てきて話題のクマ
シカが増えるとツキノワグマも
シカを食べたりするらしいです。
(事故とか罠とかで死んだシカ)

シカが増えたのは
天敵のオオカミがいなくなったから
なんて話もありますが

ツキノワグマがうまいこと天敵になって
クマはそれで満足して山から出てこないと
いいんだけどなあ…

シカはスギの苗や樹皮を食べてしまうので
林業の敵、ひいては住宅構造材供給の的でもあり
シカ天敵拡大事業とかいって
クマにシカを食べさせる事業が始まるのも
遠くはないでしょう(嘘)
むしろ肉の味を覚えて人里に来ちゃうかな…

という具合に(?)
物事、単年度では区切れないんですが
補助金だけは区切られてしまっています。

住宅に使う材は数十年かけて成長したものなので
住宅行政も数十年単位で考えていただきたいですね。

なんて言いながら
いい補助金があったら紹介しちゃいますけどね