時代を経て廃れるもの、廃れないもの

9月9日は菊を愛でる「重陽の節句」です。
…といっても、なんだそりゃ、の人が
多いかもしれません。

節句という言葉自体は
端午の節句、桃の節句のように
今も使われています。

五節句として知られるのは

1月7日 人日(七草)
3月3日 上巳(桃)
5月5日 端午(菖蒲)
7月7日 七夕(笹竹)
9月9日 重陽(菊)

の5つですが、重陽の節句だけ
ダントツで知名度が低い。

菊の薬効で健康を願う、という
行事が行われていたようですが
僕自身はやったことがありません。

なんで廃れちゃったんでしょうね〜。
雛人形や五月人形みたいに
行事を後押しするスポンサーが
いなかったからかな?

時と共に
廃れてしまうものは
家にもあります。

新築では和室はかなり減ったし
あったとしても襖や欄間は
まず、ほとんどありません。

廃れていく理由も
生活様式だったり費用の問題だったり
いろいろですね。

僕が暮らしている町は
1980年代後半ぐらいに開発されて
その頃に建った家がほとんどです。

我が家はずいぶん時間が経ってから
建てたので、周りとはずいぶん違います。

外観上、決定的に時代を感じるのは
「出窓」

昔は、出窓が憧れの対象だった
ような気もするなあ…

80年代後半というと
省エネ基準は旧基準(断熱等級2相当)のみ
無断熱の家も相当あった時代。

当然のようにシングルガラス
その上、出窓。
見るからに寒そうです。

出窓のように廃れていくものが
今の住宅にどれだけあるのかな…?

20年前は、まだほとんどのテレビが分厚かったから
リビングのプランに違いが出るし
オール電化も登場からまだ20年ほど。

これらは20年後にどうなっているんだろう?

あと20年ぐらい経つと
2020年以前の家は玄関に手洗いがない!
なんて言われちゃったりするのだろうか。

家には、あったらいいな、がたくさんありますが
同時に、なくてもいいね、もたくさんあります。

(別に、出窓や玄関の手洗いを
disっているわけじゃないですよ。
手洗い、僕も欲しい)

それ20年後も素敵? を繰り返して
なくてもいいものを削ぎ落としていく
原則的な、いい家になるんじゃないかなと
夢想しています。