月1万円のメンテナンス費用…?

住宅の維持にかかる費用は月1万円、と聞いたら、高いと思う? 安いと思う?


今日も昨日に引き続き
日本統計年鑑から

21章は「住宅・土地」
ここにも面白いネタがいっぱいあるんだけど
今回は22章「家計」から

第75回 日本統計年鑑

家計調査に「住居費」という項目があります。

住居費は、地代・家賃や設備修繕・維持費用など。

この金額、どのぐらいだと思います?

全国平均では
なんと1ヶ月約2万円
年間24万円

え、家賃そんなに安いの…?
と思うかもしれませんが

これって住宅ローンは含まれません。
家賃を支払っている世帯より
持ち家世帯の方が多いため
平均するとこんなに低い数値に
なっちゃうんですね〜。

二人以上の世帯になると
全国平均で1万8000円
年間21万6000円と
この数値はさらに落ちます。

この内訳は家賃地代が約8000円
設備修繕・維持が約10000円

つまり年間12万円が
設備修繕・維持に使われている、と…

実際は大きなリフォーム支出もあれば
1円も使わない家もあって
それの平均値、ということですが

「設備修繕・維持」であって
「建築修繕・維持」ではないので…

いや、ちょっと待て。

家計調査の定義では

住宅,庭などの設備やその修繕に関するもの。ただし,居住面積が増えるようなものは「財産購入」とみなし,設備修繕・維持には含めない。

となっているので、建築の維持に必要なお金
ってことじゃないですか。

給湯器の修理とか水洗器具の交換とか
そういうものだけではなく
屋根や外壁のメンテナンスとか
そういうものも含まれています。

そう考えると、月1万、10年で120万円って
ちょっと足りないのでは…という金額ですよね。

この数字だけ見ると
・ほとんどの家庭は修繕積立をしていない
・家を直す段階になっても諦める
ということが想像されます。

もちろん、維持にできるだけお金がかからない
そういう家を建てる必要もありますが
1円もかからずに何十年も暮らせます
という方がおかしいですね。

メンテナンス費用というのは
ぼんやりした話になっていることが多く
また、建てた工務店に必ずしも依頼しない
ということもありますし

何より新築のように大きなお金が動かないので
工務店の関心もちょっと薄いですね…

この「月1万円」というネタで
メンテナンスってどのぐらいかかるんですよ
なんて話をお客さんとお話ししてみたら?

メンテナンス費用をぼんやりさせておくのは
お客さんの未来にとっていいことではないはずです。

めんどくさいけどね…

お客さんの「こんなはずではなかった」を
なくすためには必要なこと、ではないでしょうか。