便利にしすぎて、何か失ってないだろうか

メーテルの話を書いたら、銀河鉄道999のファンという工務店社長から連絡が来ました。お話ししているうちに、鉄郎が機械の身体を断った話から、この業界の「調子のいい話」と、家の便利さについて、つい考えてしまったのです。


先日、メーテルのことをブログに書いたところ、とある工務店の社長さんから連絡をいただきました。

銀河鉄道999の大ファンだそうです。僕がブログを公開した前の晩にも、映画を観ていたそうです。
僕は、小ファンぐらいなんで、おこがましいですが…今度、一献傾けながら999談義しようよ、なんて話になりました。

コンテンツが人をつなぐ瞬間だ…いや、ここはそういうブログではないんですが、ホントは。

永遠の命、機械の身体

星野鉄郎は、永遠の生命が約束された機械の身体を無料でくれる星へ行くために、メーテルから銀河鉄道999のパスをもらって旅立ちます。

知らない人にものをもらわない、ついていかない、という、安全の大原則を無視して、交通費もタダ、そして目的のブツもタダ。

実際に世の中にあったら疑うしかない事象です。
鉄郎も、たまに疑いますが、メーテルの魅力に負けてついていきます(いやちょっと違うか)。

長い旅の末、機械の身体をもらえるチャンスが来るのだけれど、鉄郎はそれを断ります。

なんのために旅をしてきたのか? でもそれ以上のものが手に入っている、はず。

調子のいいサービス

さて、工務店業界、調子が良くないからこそかもだけど、「調子のいい話」が多い。

集客できます、契約が増えます、AIが全部やります。
僕もそういう文脈で仕事をしているから、大きなことは言えないのだけど。

でも、そんなに調子のいいことって、この世にそんなにないよな〜
ホントにあったら、調子のいいところだらけになってしまう。

もちろん、時流の読み方や、いろんな判断が積み重なってのことではあるけど、それにしたって、そんな調子のいい話は、やっぱりそうそうないのだ。
大手住宅コンサルはいつも調子がいいことを言ってて、すごいと思う。

機械の身体をタダでくれるって話に乗っかった結果、自分が何者かわからなくなる。実は自分ではない誰かのためになるばかりだったりする。
鉄郎が断ったのは、そういうことじゃないかと思っています。

大変なことも多いけど、だからこそ楽しみもある。苦しみの方が多いかもだけど…苦しいから楽しいのだ。
マゾじゃないよ、そのギャップこそがエネルギーになるのだ。

なんて書いてたら、鉄郎がもらって良かったのは、コスモドラグーン(戦士の銃)だったんだな〜と思いました。
銃はいくら優れていても、自分で狙って引き金を引かなければ役に立たない。
鉄郎は、最初はなかなかうまく銃を扱えませんけど、でも、いつしか、ちゃんと使えるようになっていったのです。

ただ単に便利で利益が得られる、じゃなくて、自らが鍛錬して、うまく使っていく。
そういうものじゃないか、身の回りに置くべきものは。

ああ、また説教くさくなってきたけど、というわけで、工務店向けサービスも、家も、同じ話じゃないでしょうか。
「バンバン集客できる」なんてのは、タダで999に載せてくれるみたいな話だし、家事楽が高じて「何もしなくていい家」なんてのが、もし実現できてしまったら、機械の身体みたいになっちゃったりしないかな?

999がわからないと、何言ってんのかわからないかもしれませんし、わかっても、わからないかもしれません。

まあ、今日は、メーテルの件で連絡をくれた一人にだけ伝われば、いいや。

便利と引き換えに、何を失っているか。

僕もその問いから逃げ切れてはいません。
便利のためにしている努力が、便利で減った労力を上回ってる、なんてのもしょっちゅうです。

だがそれがいい。
ああ、これは不便益の話かもしれないな。