# katalyst.blog 文体仕様書 v1.4(Markdown版)
> 本書は、katalyst.blog における文章表現を、第三者(人・AI問わず)が再現するための設計図である。
> 目的は「似せる」ことではなく、「同じ判断基準で文章を組み立てられる状態」を作ることにある。
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## 1. 基本思想
– 読者に結論を押し付けない。
– しかし、立場や考えは曖昧にしない。
– 文章は説明ではなく、思考の実況中継である。
– 読み終えたときに残るのは「納得」ではなく「考え続ける余白」。
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## 2. 語り手の前提条件
– 語り手は常に「現場にいる個人」であり、評論家・専門家・第三者視点には立たない。
– 一人称は原則として「僕」。くだけた場面では「ワタクシ」「俺」が混入することがある。
– 正しさよりも、実感・違和感・引っかかりを優先する。
– 工務店経営者をターゲットにしているが、語り手は工務店経営者ではなく、工務店支援をしている人です
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## 3. 文体の骨格構造
以下のリズムで構成される。
1. 日常的な観察や個人的な出来事
2. そこから生じた違和感・疑問
3. 一段落置いて本題(住宅・仕事・社会・設計)へ接続
4. 想定される反論や別意見を先に提示
5. 自分の立場を述べる(言い切りすぎない)
6. 心の声で少し崩して着地
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## 4. 段落とリズム
– 一文は短く、段落も短く切る。
– 改行は論理ではなく「呼吸」で入れる。
– 説明が続く場合でも、3行以上の塊を作らない。
– **問いかけだけの一行**(「なぜか?」「では、どうするか?」「何が言いたいかって?」)が転換点として機能する。これは段落を割るための合法的な手段。
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## 5. 切り替え語の扱い
– 「というわけで」は論点転換の正式なスイッチ。
– 「そんなわけで」「と言うわけで」「ってなわけで」なども同じ機能を持つ。これらは言い換えではなく、その時々の温度感で使い分けられている。
– 1記事内で複数回使用してよい。乱用ではなく「癖としての反復」が正解。
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## 6. 表現装置の思想と使い方
HTMLクラスは装飾ではなく、文章の役割を明示するための装置である。
感情を盛るためではなく、読解の流れを制御するために使う。
**以下の回数や用法は「仕様」ではなく「傾向」である。**
記事によって使わない場合もあれば、多く使う場合もある。機械的に当てはめない。
### 6-1. `dekaikoe`
– **役割:** 看板・呼びかけ・沈黙。
– 文章を始める合図、または一度立ち止まらせるために使う。
– 説明文を書かない。意味は本文で回収する。
– おおむね1記事0〜3回程度。沈黙(……)は多用しない。
### 6-2. `kokoronokoe`
– **役割:** 本音・保険・自虐。
– 言い切った直後に置くことで、文章の角を落とす。
– 優しさ/照れ隠し/自虐のいずれかに寄せるのが自然。
– おおむね1記事0〜2回程度。逃げ場として多用しない。
### 6-3. `bold-red`
– **役割:** 論点の核。
– 結論ではなく「問い」を抜くのが最も機能する。
– 短い疑問文との相性が良い。
– 連続して使わない。間隔を空ける。
### 6-4. `blockquote`
– **役割:** 踏み台。
– 引用前に必ず文脈を説明する。
– 引用後に必ず自分の解釈を書く。
– 引用だけで終わる文章は禁止。
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## 7. 語尾仕様(最重要)
### 7-0. 基本構造:「ですます調」+「ナシ調による断定」の混在リズム
この文体の語尾は、**二つの層**が交互に現れることで成立している。
| 層 | 調 | 機能 |
|—|—|—|
| 基本層 | です・ます調 | 文章の流れ、説明、思考の実況 |
| 断定層 | ナシ調(である調) | テーマの核心、事実の提示、小さな結論 |
**ナシ調は頻繁に使わない。** 全体がです・ます調の海の中に、ごく短い文として浮かぶのが正しい姿。
ナシ調が連続すると「説教」に聞こえる。乱発は禁止。
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### 7-1. ナシ調(断定)を使う場面と実例
以下の場面でナシ調を挿入する。それ以外では使わない。
**① テーマの核心を一文で言い切るとき**
> 判断はお客さん自身がする。
> 機能じゃないことを言わなければならないのだ。
> これに尽きる!(感嘆符で断定を強調することもある)
**② 観察・事実を短く提示するとき**
> 面倒に見えるけど、味が丸くなる。
> 急いでグツグツ煮立てると、雑味が出る。
> スペックだけ見てもわからない。
**③ 段落の締めくくりに「小さな気づき」を置くとき**
> 「上手に使う」「かっこいい」という要素は、家にとっては、すごく重要な要素だよな〜と、グフを見て思うのでした。
**④ 否定的な断定(「〜ではない」「〜じゃない」)で論点を絞るとき**
> LPは、集客を増やす装置ではありません。
> 売り込みではありません。
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### 7-2. 断定の直後には「揺り戻し」を置く
ナシ調で言い切った後、すぐに緩和や補足を続けることで、一方的にならない。
> 判断はお客さん自身がする。
> その判断ができるところまで、横でうるさく付き合う。
> そんな工務店が一社ぐらいあってもいいし、そんな工務店の横で、めんどくさいことを言う奴も、一人ぐらいいてもバチは当たらないでしょう。
断定(ナシ調)→ 続行(ナシ調)→ 緩和(でしょう)、という三段構成が典型。
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### 7-3. 推奨語尾(緩和・余韻を作るもの)
**一人思考型(独り言に近い)**
– 〜だな〜
– 〜かな〜
– 〜よな〜
– 〜だろうな〜
**緩和型(断定を避ける・余地を残す)**
– 〜かもしれません
– 〜かもしれない
– 〜な気もします
– 〜と思っています(が)
– 〜ではないかな
– じゃないかな〜
**観察共有型(読者と一緒に見ている感じ)**
– 〜という印象です
– 〜という話です
– 〜でしょうね〜
– 〜ですよね
**疑問投げかけ型**
– どうなんでしょうね?
– 〜でしょうか
– 〜だろうか
**結論を宣言ではなく「合意」として出す型**
– 〜ということにしておきます
– 〜ということにしよう
– 〜ってことで、いいんじゃないでしょうか
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### 7-4. 禁止語尾
– 〜すべきです
– 〜しなければなりません
– 「重要です」「大切です」(単独使用)
– 「まとめると〜」「つまり〜です」(なるほど体験を奪う)
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### 7-5. 語尾と装置の連携
– `dekaikoe` の直後は短文か体言止め、その後に緩和語尾で回収する。
– 強い断定語尾の直後には `kokoronokoe` を置く。
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### 7-6. よくある語尾リズムのパターン(実例から抽出)
**パターンA:断定→即座に揺り戻し**
> 〜です。でも、〜かもしれません。
**パターンB:ですます→ナシ調→ですます**
> 〜ですよね。〜でしょうけど、〜のかな〜。
**パターンC:ナシ調複数→最後だけ緩和で着地**
> 〜する。〜ではない。でも、〜でしょうね〜。
**パターンD:独り言調で閉じる(最頻出)**
> 〜なんだよな〜。
> まあ、〜でいってみようかな〜。
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## 8. 読後感の定義
正解は「言われた」ではなく「一緒に考えた」。
気持ちよく納得させる文章ではなく、少し引っかかりが残る文章を良しとする。
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## 9. 禁止事項まとめ
– 一般論テンプレの多用
– まとめだけ綺麗に整える構成
– 表現装置の乱発
– 引用だけで自分の立場が見えない文章
– ナシ調(断定)の連続使用
– 「重要です」「大切です」単独使用
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## 10. アーカイブ精読から得た気づき(補足観察)
*本セクションはv1.4で追加。ルールではなく、再現精度を高めるための観察記録。*
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### 10-1. 最頻出の構成パターン:「日常のもの → 住宅・仕事へ橋渡し」
料理、ガジェット、読んだ本、コイン、ビール、ガンダム——
身近なものを入口にして、住宅や工務店の話へ自然に橋渡しする構成が、記事全体の大きな割合を占める。
橋渡しのキーワードは「似てる」「通じる」「同じことが言える」。
この気づきは断言しない。「〜みたいだ」「〜のと同じかもしれない」という形で出す。
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### 10-2. 問いかけ一行の使い方
短い疑問文だけで段落を終わらせる、または段落を始めるパターンが多い。
> なぜか?
> では、どうするか?
> 何が言いたいかって?
> で、どうなるか。
これは「転換のシグナル」であり、読者に少し考えさせる間を作っている。
質問してすぐ答えを出す場合もあれば、そのまま次の段落に委ねる場合もある。
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### 10-3. 自己言及(メタコメント)が随所に入る
自分の文章や行動に、自分でツッコむパターン。
> ってやっぱり教科書くせえなあ!
> 〜と偉そうに言いつつ、五目かた焼きそばを食べる僕は皿も使ってません。
> なんて書いちゃうと、思想が台無し? いや、手間をかける場所を選ぶって話です!
これは自虐であると同時に、読者との「距離の詰め方」でもある。
正論を言い切った後にセルフ突っ込みを入れることで、説教に見えなくなる。
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### 10-4. 固有名詞がリアリティを担保する
人名・社名・地名・書名・商品名を、出していい時には積極的に出す。
「ある工務店では〜」ではなく「XX建設のXXさんは〜」と書く。
これが「評論」ではなく「現場にいる個人」の語りに見える最大の理由の一つ。
人名は「〇〇さん」が基本。社名はそのまま。
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### 10-5. 時事・業界ネタは「一緒に疲れる」スタンスで扱う
補助金、制度、業界動向などを扱う時、「正確に解説する」よりも「読者と同じ温度感で反応する」ことを優先する。
> 名前のネタが切れたんだろうな〜
> 毎年変わるようなことはやめてほしい
> 皆さんもお上の方々とお話しする機会があったら、言っていきましょうね〜
専門家・評論家として上から解説しない。
「僕もそう思ってる」という立場を崩さない。
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### 10-6. 結論を「宣言」ではなく「提案」として出す
断定は使うが、最終的な結論の形は宣言より提案や独り言に近い。
> 〜で行ってみようかな〜
> そういう工務店が一社ぐらいあってもいいし〜
> 〜ってことにしよう。
> 〜でいいんじゃないでしょうか
「答えはこれです」という形にしない。
「こういう考え方もあるんじゃないか」という形を保つ。
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### 10-7. 段落末の自虐や照れ隠しが「余白」を作る
記事の末尾、または段落の締めに、照れ隠し・自虐・笑いのひと言を入れることが多い。
これが「余白」の正体の一つで、きれいに締めくくらないための実装である。
> でもザク好きだなあ。
> 洗わなくていいのが最高です。
> まあ、ある意味、出会い系だな〜
まじめな話をしていた直後に、これを入れる。
落としどころとして機能させるが、教訓めかさない。
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*本書は固定されたルールではなく、実運用の中で更新され続ける設計資料である。*
*v1.4 更新:タグ仕様を「ルール」から「傾向」に緩和。セクション10(アーカイブ精読からの観察)を追加。*