不安定な場所があるから外皮性能が活きる


地域の一隅を照らす工務店を
応援したい佐塚です。

今日は、先週行っていた
九州縦断建物見学の集い
二日目の様子で気づいたことから。

前日に建物を見せてもらった
建築家の堀部安嗣さんの
お話からスタート。

堀部安嗣さんの講演

写真のタイトルに
「温熱設計」とありますが、もちろん
断熱の技術の説明などではありません。

人が心地良いと思う場所を作るために
大きく二つのゾーンを作るというお話です。

一つは、安定して快適なエリア。
建築の外皮性能を上げて
安心して過ごせる場、とでも言いましょうか。

もう一つは、不安定だけど快適なエリア。

不安定で快適とはこれいかに
と思うかもしれません。

けれど、人は安定して快適なエリア
(断熱され外と閉じたエリア)にいれば
必ず外との接点を求める生き物です。

だから、住まいにも、安定エリアに
連なって、不安定だけど快適
という場所を作るのです。

不安定で快適って、どういうことかと
思うかもしれません。

前の日に見学させていただいた
堀部さんの設計でいうと
こういうところ。

(ちょっと、写真の撮り方が
よくなくてわかりにくいけど)

創建さんの姶良の家の
離れの軒下です。

この北側に母屋が建っています。

母屋と離れの間には
このように雨にも濡れる
庭があります。

離れは軒が出ていて
雨は凌げて
庭に親しめる場所。

そういうところが堀部さんのいう
不安定で快適なエリアです。

温熱的には不安定ですが
人間にとって「大事な信号」が
得られる場所。

それは、すぐそばに安定した場所が
あるという安心感から
得られるのでしょう。

気温・湿度が安定していたら
人が居心地がいいと感じるわけでは
ないはずです。

それなら、ビルの会議室や
地下室だって居心地がいいですよね。

でも、そういうところで生活を
営みたいなんて誰も思いません。

不安定で快適なエリアに行く
自由を持っているからこそ
人は安心できるのです。

そして、そういうエリアこそが
町の表情も作るのだ、と。

まさに、我が意を得たり
というお話でした。

講義の話はまだまだ盛りだくさん
お次はシンケン・迫社長のお話から。