言葉いじり・化学物質

化学物質、と聞くとなんだかイケナイ、アヤシイ、そんな風に思うかも知れませんが、一概にそうとは言えないよ、というお話です。


言葉あそびというか
言葉いじりというか

ずーっと
気になっていることがあって…

知ってのとおり(?)
僕はめんどくさい人なので
言葉の定義にいちいちうるさいです。

工務店が多用する
「化学物質」という言葉。

この場合、ワルモノ的扱いで
使われます。

めんどくさい僕は
木だって紙だって何でも
化学的にあらわせるんだから
あらゆるものが化学物質だろ

なんて言ってきたのですが
実は「化学物質」を定義している
法律がありました。

「化学物質の審査及び
製造等の規制に関する法律」
(化審法)

e-Gov 法令検索
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府省令・規則)の内容を検索して提供します。

第一条(目的)は

この法律は、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質の性状に関して審査する制度を設けるとともに、その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とする。

第二条(定義等)が

この法律において「化学物質」とは、元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。

(「次に掲げる」は省略しますが麻薬や覚醒剤のこと)

あくまで「この法律において」ですが
化学物質とは化学反応の結果得られる
化合物のこと。

たとえば漆喰のもとになる石灰。

↑石灰石。

石灰石(炭酸カルシウム・CaCO3)を
焼成すると二酸化炭素(CO2)が放出されて
生石灰(酸化カルシウム・CaO)が生成されます。

CaCO3→CaO+CO2


↑生石灰に焼成中

生石灰(CaO)と水(H2O)を反応させると
消石灰(水酸化カルシウム)が出来上がり。

CaO+H2O→Ca(OH)2


↑消石灰。これを砕くと漆喰のもとに。

主成分が消石灰の漆喰が固まるのは
消石灰(Ca(OH)2)が
二酸化炭素(CO2)と反応して
炭酸カルシウム(CaCO3)と水になる。

Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O

石灰石(CaCO3)を
生石灰、消石灰として
に変化させて置きながら

最後はまた同じCaCO3として
固まるだなんて
見つけた人の知恵がすごいのか

化学式で
漆喰は水が乾いて固まる
と思っている人もいますが
完全なる化学反応ですね。

では漆喰は化学物質なので
やめましょう
なんて話にはなりませんよね。

化学物質が全部わるいのではなく
安全かどうかの知見が不十分なものは
気をつけなくてはいけない

化審法でも、化学物質は
第一種特定、第二種特定、監視化学物質や
優先評価化学物質、一般化学物質など
いくつかのグレードにわけられています。

ひとつの法律の定義だけで
物事が決まるわけではないから
今日の話は(も?)屁理屈ではありますが

〇〇だから悪い!
□□だからいい!

なんて短絡的に評価せずに
なぜそれがいいのか、わるいのか
自分で考えて説明
できるようにならないと

僕みたいな
めんどくさい客が来たときに
困っちゃうぞ!