ネッククーラーで夫婦喧嘩は収まるか

空間の温度を調整しても、その中にいる人の感じ方はそれぞれなので、その差が埋められるかな…というお話のような、いつもの話


先日、日本サッシ協会が

災害級の猛暑から命を守る!自宅の熱中症対策~窓リノベによる快適な住まい実現提案~

という資料を発表していました。

<日本サッシ協会 快適な住まい情報室 REPORT#01> 災害級の猛暑から命を守る!自宅の熱中症対策~窓リノベによる快適な住まい実現提案~ | ニュースリリース | 一般社団法人 日本サッシ協会

↑ここからリンクしているPDFは
案内文でしてその中から
さらにリンクしているPDFがホンモノ↓

https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/eco/pdf/sumai_johoshitsu_01(202507).pdf

断熱改修を進めるための裏付け情報は
お客さんにアピールする材料になるから
お役立ち情報だな〜と思う反面

やっぱりエアコン使用が前提だよな…

でも世の中にはエアコンが苦手な人や
夫婦でエアコン設定温度で争っている人
そして僕のように職場にエアコンがない人

色々いるわけで
「空間を涼しくする」
だけでなくて
「人体を涼しくする」
というアプローチもないといけない
(これが建築側からのアプローチかは別として)

暑さを感じる要素はたくさんありますが
そのうちの一つ、代謝(による熱)

飯を食ったらそのカロリーは
やがてはみんな熱になっていく
(脂肪として蓄えられるか)

人体は重さあたりで言えば
太陽よりも強烈な発熱体なのです。

太陽より熱いものが家の中にある
昨日の昼ごろ出かけたら御多分にもれず暑い!とあるお店に入ったらそこも冷房しているのに暑い!なぜならそこには太陽より熱いものがたくさんだったから。——–地域をよくする工務店を応援するネットワークの佐塚です。——–太陽の表面温度は6000℃ぐら...

夏だけでなく冬も発熱して放熱している
その放熱速度の遅さ・速さが
暑い、寒いってこと。

これには個人差があります。
男女差も大きいと言われています。

ガシガシ冷やしたい夫と
あんまり冷やしたくない妻が
エアコンの温度で大喧嘩

ってのは、結構あちこちに
あるんじゃないかなあ
(もちろん男女逆もあります)

そういう差を埋めることに使えるのか
わかりませんけれど
ここ数年はネッククーラーなるものが
よく売られていますね。

半信半疑で買ってみました。

PCM(相変化材料)を用いたもので
建築業界の人には「潜熱蓄熱材」という方が
通りがいいかな?

28℃以下で固体になり
それ以上の温度では液体に変化するときに
熱を吸収するもので
それを首に巻くと動脈が冷えて
涼しく感じるらしきもの

右は透明な入れ物なので中身が見えます。
暑いところに放置しておいて
ほとんど中身が液体になっている状態。
左は冷凍庫から出したばかりの状態です。

空気温度がこんな状態の時に↓

各ネッククーラーは温度がこんな感じ↓

冷凍庫から出したやつは
当然ながら冷え冷えで
暑いところにあったやつは
空気温度以上にあったかくなってます。

10分放置してみると↓
(温度の上下のレンジがズレてるので
各写真は色だけで比較できません
すみません!)

冷たい方はだいぶ温度が上がってるけど
まだまだ冷たい

暖かかった方は逆に
環境温度に近くなってきている

1時間放置

色だけ見ると冷たく見えるけど
触ると冷たい、というほどではない
けれど首筋にまけば
動脈よりは温度が低いので
ちょっとは涼しく感じるかも

(人体に接触した状態の1時間と
放置状態の1時間では全然違うので
実際の冷たさはもっと短いでしょう)

ちょっと洗濯物を取り込みたいとか
トイレが暑いとか
そんな時にするのはいいのかな?

あるいは、夫婦の温度感が違う時
暑いと感じる方の人が
これをつけてたらいいかもしれません。

二つあれば片方がぬるくなる間に
冷蔵庫で冷やせます。

まあ、僕はこれじゃ足りないので
ペルチェ式のネッククーラー(電力が必要)
を使ってますが

電力が続く限り冷たさをキープ
これは結構涼しいです。

伝導で涼しくするのはなかなか難しいですが
(椅子とか冷たくても不快ですよね)
首には太い血管が通っていて
ここをピンポイントで冷やすと
まあまあ効くわけですね。

しかしながら…

ペルチェ式のさが
反対面からは放熱します。

電力を使って冷やすものは
結果的にどこかに熱を排熱し
さらに電力分の熱も出るので
トータルで見たら室内の温度は
上がるかもな(微々たるもんですが)

スポットクーラーなんかは
この典型ですが
普通のエアコンは、その熱を
外に捨てるというエゴイズム仕様です。

やっぱりガンガン使うことを前提にせず
家の中を暑くしない
そんなしつらいが大事だな〜

といつもと同じオチになりそうですが

空間から人に視点を移していくのは
今後の業界に必要じゃないかな〜
という、示唆に富んだ話
ということにしていてください。