値下げ的後出しと期待的後出し

先日Pixelが発表され、もう時期iPhoneが発表される。スマホの発表、期間限定値下げと後出し戦法。後出しに必要なのは、スペック・価格的競争力よりも、期待感だよなあ〜。


GoogleのPixel、早期購入の特典期限が明日までなんです。
まだ、ちょっと迷う。

そして、その期限が切れた絶妙なタイミングで、毎年恒例のAppleの新製品発表イベントが控えています。
さらに言えば、Appleが新しい端末を華々しく発表した後も、この「見合い」は終わりません。

今度はドコモやau、ソフトバンクといった通信キャリア各社が、予約開始の直前、それこそ数時間前まで端末の実質価格やキャンペーン内容を一切明かさないという、沈黙期間に入ります。

相手がどんな値付けをしてくるか、どんな割引プログラムをぶつけてくるのかをじっと見定め、最後の最後まで手の内を隠し合う…


ビジネスの世界では、昔から「後発の優位性」なんてことがよく言われます。
先に走った相手の反応や失敗を見て、スペックをちょっと上回り、相手の価格設定を見極めた上で、一番おいしいポジションに自分たちの商品を落とし込む。

確かに、後出しの方が勝ちやすい。
相手がグーを出したのを見てから、ひと呼吸置いてパーを出せば負けないわけですから、戦術としては極めて合理的です。

住宅業界でも、似たような光景をよく見かけます。
「他社の見積もりが出たら持ってきてください、それより良い仕様で安くしますから」と平然と言う会社もあるそうな。

でも、後出しって、本当に強いんだろうか?

確かに、スペックや価格でチキンレースをやっている間は、後出しの方が絶対に強いです。
「定量的で比べやすい数字」だけで勝負しているなら、相手の数字を確認した上で、それより1ミリだけ上の数字を提示すれば勝てる。
お客さんにとっても、「同じような箱なら、後から出てきた条件が良い方」に流れるのは自然な心理でしょう。

でも、それって裏を返せば、自分たちには「数字以外の選ばれる理由がない」と言っているようなもの?


Appleは後出しですが、後出しだから強い、というわけではなさそうです。
(というか、AIの機能やら細かな仕様やらで、他社に先行されているところもたくさんある)

それでも揺るがないのは、彼らが「Appleという世界観」そのものを売っているからでしょう。
ハードウェアのスペック競争という土俵そのものから、最初から半分降りているわけです。

工務店の仕事だって、そういう風に選ばれるのがいいですよね。
「あそこが高性能を謳ってきたから、ウチも数値を上げないと」とか、
「競合が値引きしてきたから、ウチも何かオマケをつけなきゃ」とか。

相手の出方を伺って、後出しで勝とうとすればするほど、自分たちが大切にしてきたはずの設計思想や、職人の手間や、現場の空気感が、全部ただの「比較の材料」になってしまう。

Appleが、そんな風になっているのに、各キャリアは「比較の材料」としての後出しをしてる、ってのは、なんだか皮肉だなあ。


お客さんからしてみれば、比較するものが出揃ってから判断したい、というのは当たり前です。
僕も、Pixelに後ろ髪をひかれつつも、iPhoneがとても良かったらどうしよう、と、いう気持ちになっています。

後出しに必要なのは、「比較材料」、ではなくて「とても良さそう」という期待感なんじゃないかな〜。
期待感が強い分、期待に応えられなければ選んでもらえない。

ある意味、値下げ的後出しの方が、ずっと楽です。
でも、値下げ的後出しじゃなくて、期待的後出しで、やっていきたいですよね〜。

(とか偉そうに言いながら、Pxielのお得感からまだ脱しきれていない物欲まみれの僕)