インスタントという言葉の深さをラッポギに教わる

先日、韓国料理の
チェーン店で外食をした時のこと

インスタントラーメンで作った
ラッポギというメニューを通じて

「インスタント」という言葉を
自分が大きく勘違いしていたことに
気づくのです。

平日の昼間だったのですが
韓国料理店にいる客のほとんどが
女子高生でした。
(テスト期間中かな?)

聞けばインスタ映えする
韓国料理やスイーツの
写真を撮りに来ているようで。

さて、メニューを見てびっくり。

ラッポギなる食べ物。

インスタントラーメンとトッポギの甘辛煮込み
と書かれています。

トッポギは
僕も何度か作ったことがありますが

ラッポギは
寡聞にして存ぜず。

「ラ」はラーメンのラなのかなと
想像しましたが
まさかインスタントラーメンとは。

外で食べたものは
再現したくなる性分なので
試してみました。

辛ラーメンとトッポギ

トッポギを先に煮て

麺をドバーッと投入

オムク
(さつま揚げのようなかまぼこのようなやつ)
の代わりにウインナーを切ってドバーッ。

どうだ、このジャンクな食べ物!

なんていうことをネタにしているのは

インスタントラーメン
外食産業で提供されていたことに
少なからず衝撃を受けたからです。

(カップ麺専門店とか
そういうニッチな店もたまにありますが)

料理として美味しければいいや

という気持ちと

それなりにお金払って
インスタントラーメンかよ

という気持ちが混在します。

でも、どちらかというと
インスタントラーメンかよ〜
という気持ちが強くて
お店の、他の料理もチープに見えちゃって…

(セントラルキッチンのレストランなら
どの食材も似たようなもん、かもしれませんが)

家も
住めれば何でもいいやという人と

ちゃんと手をかけて作って欲しい
という人がいます。

これらの両方は
本来棲み分けられているはずですが

工務店の中には
高級路線と
ローコスト住宅の両方をやっていたり

商品ラインナップを価格帯別に
いくつか見せているところもあります。

高価格帯と低価格帯を並べれば
様々な消費者層を取り込める!
との狙いからかもしれませんが

ほとんど低価格のものしか
売れなくなっていませんか?

安いものを見せたら
会社全体が安い会社に見えてしまい

そこで高いものを買おうとは思わない
そんなことが起きていませんか?

建設費の高騰から
どの会社も苦戦していて
安く売れるものに手を出したい

そういう気持ちは否めませんが
完全に別のブランドで見せるとか
来てくれた人にこっそり伝えるとか

見せ方を工夫していかないと
会社のブランド価値を
傷つけることになるかもしれません。

なんてことをラッポギ食べて
想像してしまう自分が
嬉しいやら悲しいやら…?

ところが、インスタント
という言葉について調べていたら
ちょっと気になることが。

語源は「傍に立っている」
だそうです。

傍に立っているので
すぐに行動できる、ということで
「即座に」という意味だそうだから

アレ? もしかして
これはいいことじゃないの?

インスタントとは
手を抜いたもの
ちゃんとしていないもの

そういうイメージを持っていましたが

事前に準備をしてあるものが傍にある

そう考えるとインスタントって
捨てたもんじゃないのかなあ。
仕込んでおく、ということですよね。

かつお節なんかも
事前にすごい手間をかけて
作ってくれてあるから

家庭では短い時間で
だしがひけますよね。

以前、かつお節工場を見せてもらいました。

これはカビづけを5回行ったもの。
カツオをさばいてから
出荷までは半年ぐらいかかるそうです。

そういう手間ひまかけて手元に届くから
かつお節は(良い意味で)
インスタントなだしになるのです。

そんなわけで、チープなものと
高いものを混在させない方がいいよ
というのをオチにしようと思っていたのが

事前に準備しておくことで
「傍に立つ」というのは
存外、素敵なことかもね、と

我ながら思わぬ展開になりました。

もちろん、インスタントが全て万歳!
というわけではなく

「即座に行動できる」ための
仕込みの部分を、誰がどのようにやるかで
チープなものにも
価値のあるものにも変わるんだろうなあ。